576通りのフタで売り上げ増 明治 エッセル スーパーカップとモンストのコラボが成功した3つの理由:ロングセラーの挑戦(2/5 ページ)
「明治 エッセル スーパーカップ」が初のIPコラボに取り組んだ。ミクシィが運営するスマホアプリ「モンスターストライク」とのコラボキャンペーンを実施。その理由は? 担当者を直撃した。
アイス市場は好調
日本アイスクリーム協会によると、20年度のアイスクリーム類の市場規模は5197億円、前年比0.9%増となった。
11年度(4058億円)以降、18年度までの7年間市場拡大が続き、19年度は天候不順の影響で0.7%の前年割れとなったものの20年度は18年度の5186億円を上回り、過去最高の販売額を記録した。天候による影響のほか、巣ごもり需要の拡大などが要因となった。
市場全体の傾向は右肩上がりな一方、ロングセラー商品である明治 エッセル スーパーカップでは、コアターゲットである若年層が離れる傾向が見え初めていた。
若年層が離れる理由は何か――。明治のフローズン・食品マーケティング部 フローズンデザートグループの吉岡征史氏は、SNS映えを意識した商品の台頭や先述したマルチタスク化をあげる。
「各社の品ぞろえも含め、コンビニエンスストア向きの商品や話題性を打ち出すラインアップが多く出るようになりました。そのため、明治 エッセル スーパーカップは若年層から“ちょっと古臭い”と感じられてしまうことが課題として挙がっていました」(吉岡氏)
1994年に誕生した明治 エッセル スーパーカップといえば、超バニラ、抹茶、チョコクッキーとシンプルな3種のフレーバーに、『たっぷり安くておいしい』という“王道なアイス”をテーマに展開してきた。
「“王道感”を意識するあまり、全世代を対象としたプロモーションが比較的多かった」と吉岡氏。「特定のターゲットを狙って成長させる発想がなかったため、アイスクリーム本来の価値でもある“楽しさ”の訴求が少なくなっていました」と振り返る。
一方、ミクシィ側にも明治 エッセル スーパーカップと組みたい理由があった。
「モンストユーザーはもちろん一般消費者に対しても、モンストブランドを想起させるタッチポイントを作っていきたいと考えていました。その中でモンストのユーザーボリュームに見合う、全国展開している企業さまとのタイアップを検討していました」。こう話すのはミクシィ モンスト事業本部の山本忠智香マネージャー。
若年層への接触頻度を増やしたい明治と、誰もが知る商品とのコラボで一般消費者との接触機会増を狙うミクシィの思惑が一致。明治 エッセル スーパーカップにとっては初となるIPコラボを実施することになったというわけだ。
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