銀座にダイソー旗艦店オープン 注目の商品から見えてくる販売戦略とは?:初の3ブランド融合店(1/4 ページ)
大創産業は4月15日、東京・銀座の商業施設「マロニエゲート銀座2」に「ダイソー」ほか3ブランド融合の旗艦店をオープン。銀座への初出店にはどんな狙いがあるのか。オープン前の内覧会を取材し、一押し商品から販売戦略を探った。
100円ショップ業界最大手の大創産業(広島県東広島市)は東京・銀座の商業施設「マロニエゲート銀座2」に、「ダイソー」の旗艦店を4月15日オープンする。300円の商品が中心の「THREEPPY(スリーピー)」と「Standard Products」も合わせた3ブランド同時展開は同社として初めて。2021年度の売上高は過去最高の5493億円に達し、30年度までに2倍の1兆円という野心的な目標を掲げるが、銀座への初出店にはどんな狙いがあるのか。オープン前の内覧会を取材し、各ブランドの一押し商品から販売戦略を探った。
約1650平方メートルという広大なフロアに、おなじみのダイソーと、大創産業の新業態ブランドTHREEPPY、Standard Productsが同居する。「これは自分の知っているダイソーではない」というのが第一印象だった。
各ブランドの目玉商品の説明を聞きながら浮かんできたのは、「脱個性」「独自性」「サステナブル」という3つのキーワードだ。
THREEPPYは「脱個性」でターゲット拡大へ
THREEPPYは18年に誕生した大創産業の新ブランド。商品の価格帯は8割が300円、残りは150〜1500円。22年4月現在、全国に240店舗を展開している。
今回、銀座店にオープンするのは、従来のTHREEPPYから商品を大幅にリニューアルした“新THREEPPY”だ。
店舗入り口に人目を引くように陳列されていたのは食器類。「貫入(かんにゅう)」と呼ばれる皿のひび模様が味わいを出す商品や、美濃焼の食器を取りそろえる。全体的にグレーやピンクといった彩度を落とした「くすみカラー」を用い、「和洋両方の料理に合います」と担当者は話す。
従来のTHREEPPYでは、ディズニーの人気キャラクターなどをあしらった商品を多くそろえていたが、今回、キャラクターものの商品はほとんど扱っていない。
「今までキャラクターものの商品が中心だったが、キャラクターが強いと客層を限定してしまう。キャラクターをほぼなくし、『大人かわいい雑貨』をテーマにブランドを一新し、幅広い層の方に楽しんでほしいと考えた」と大創産業の平本良弘・商品本部長は話す。
キャラクターから「くすみカラー」へ。「脱個性」ともいえる新たな動きは、銀座店の始動に向けて1つ目の大きな販売戦略と言えそうだ。
食器以外にも、世界三大綿の1つ、エジプト綿を用いたタオルや、コロナ禍で増えた「おうち時間」を香りで彩るフレグランスの商品にも注力している。
THREEPPYでは現在、約1500点の商品を展開しており、うち9割が大創産業のオリジナル商品。今後全商品のオリジナル化を目指すという。
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