企業間送金の“隠れコスト”、消込の解消目指すストライプの新機能(2/3 ページ)
ストライプジャパンは4月14日、企業間の取引で多用される銀行振込において、消込作業などの経理作業を簡便化し、企業のコスト削減やデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現する「銀行振込」機能を提供すると発表した。
三井住友銀行のバーチャル口座を活用
同社が提供する銀行振込機能は、三井住友銀行のバーチャル口座を活用する。この機能を利用する企業は、自社の顧客1社ごとにバーチャル口座を割り当て、振込先に指定する。これによって、自動的に振り込み元が特定できるので、入出金明細と請求書の照合が容易に行える。
銀行振込機能によって購入者ごとにバーチャル口座を割り当てることで、誰の振込かが簡単に特定できる。撤退の可能性が低く安定性を考えて、日本の大手都市銀行でのサービスにこだわって三井住友銀行を採用したそうだ
「顧客残高」機能もあり、振込金額に過不足があっても翌月の支払いに繰り越すなどの処理を自動化することも可能。同社の請求書サービスである「Invoicing」を組み合わせれば、請求書の発行などの作業もデジタル化でき、銀行振込の消込自動化もできるようになる。
さらに、「Billing」サービスを活用すれば、SaaSやサブスクリプションサービスのような毎月の継続課金にも対応でき、自動請求から消込といった自動化を銀行振込でも可能にする。
振り込まれた代金は、最短4営業日でストライプから企業の口座に振り込まれる。これはストライプのクレジットカード決済を使った場合と同じタイミングで、1件あたりの決済手数料は1.5%。BillingやInvoicingなどのサービスを使った場合は、必要に応じてその分の料金も発生する。なお、バーチャル口座への振込手数料は通常の銀行振込手数料と同額だ。
請求書の郵送代や印刷代なども含めた隠れコストを解消できることから、手数料1.5%でもコスト削減につながるというのが同社の認識だ。ただし、その仕組み上「1件の売り上げが大きく、件数が少ない」ような販売形態の場合、ユーザー企業側にとっては手数料が過大と感じる可能性もある。同社では柔軟に相談に応じる、としており、企業の状況に応じたサービスを提供する。
また、サービスとしては基本的にB2Bの企業間取引を想定しているが、B2Cでも銀行振込は使われており、そうした利用も可能だという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
BANK Payっていったい何だ? 単なるQRコード決済ではないその秘密
BANK Payというサービスをご存じだろうか? よくある説明だと、「PayPayのようなQRコード決済の1つ。ただし、利用すると銀行口座から即座に料金が引き落とされる」なんて書かれている。これは間違いではないが、BANK Payの一つの側面しか見ていない。
決済手数料に悩む加盟店が、逆に決済手数料を受け取れる アララキャッシュレスの逆転の発想
ハウスプリペイドを企業に提供するアララは、新たにコード決済機能の提供もはじめ、店舗は独自Payサービスを実現できる。さらに、来春には非接触決済サービスの「iD」にも対応。このiDは、決済手数料負担に悩む加盟店にとって、逆に決済手数料を受け取れる機会をもたらす。
次のキャッシュレスはB2B? 企業間取引にカードは使えるのか
B2Cのキャッシュレス化が進みつつある一方、企業間取引、B2Bのキャッシュレス化は進んでいない。特に、ほとんど進んでいないのが仕入れなどの企業間取引のキャッシュレス化だ。
「銀行は土管でいい」GMOあおぞらネット銀行が目指す、組込型金融のあり方
「組込型金融サービス」の話題が盛り上がりつつある。これはいったいどのようなものか。銀行APIの利用促進を進めるGMOあおぞらネット銀行の事例から、それを探り、さらに組込型金融が普及したときの銀行の姿についても考察する。
銀行振り込み手数料値下げへ 10月から銀行間で半減
銀行間の資金決済を担う全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)は3月18日に、銀行間の送金手数料を10月1日から一律62円に引き下げると発表した。従来は、3万円未満が117円、3万円以上が162年で、長期間据え置かれていた。
