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倒産危機の新興家電シロカ、買い取りから2年で売上高71億円の新社長の手腕家電メーカー進化論(5/9 ページ)

製品のリコール費用などで19年に債務超過に陥ったシロカは、2000年に誕生した調理家電を中心に取り扱う白物家電メーカー。現在は新しい経営体制とファンドによる支援により、新生シロカとして再生。旧体制からわずか2年で、売上高を71億にまでアップさせた背景を、金井まり新社長と開発陣に聞いた。

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年間10件以上の特許申請で技術のアピールも

 コストの見直しに伴い、製品製造も変わっていく。新生シロカとして、ゼロから開発製造が行われた製品の1つが、長い間、力を入れてきたオーブントースターだ。

 それまでもハイブリッドオーブントースターという名称で、バルミューダなどと並ぶ高価格帯の製品として展開してきた。しかし、新製品では、作り方もそれまでとは大きく変わったという。

 「それまでは、市場の声は聞きつつ、企画が考えて、開発が具現化するといった具合で、2つのセクションだけで作っていました。しかし新生シロカになってからは、全社一丸で製品を作るべきと考え、“すばやきプロジェクト”を立ち上げました。

 販売現場を担う営業の声や、サポート部門の意見なども吸い上げ、各セクションが持っている思いを全部集めて、徹底的に議論しました。そして10カ条を作り、その下で開発していきました」(長島利通氏)

 社員が一丸になることで皆が商品に思い入れを持ち、自分事になる。その結果、なにかがあった時の改善スピードもアップする。そうして開発サイドも満足の行く製品ができたという。


新生シロカがゼロから新開発した「すばやきトースター」(実勢価格1万7800円)。社員の思いを集めて生み出した

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