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倒産危機の新興家電シロカ、買い取りから2年で売上高71億円の新社長の手腕家電メーカー進化論(6/9 ページ)

製品のリコール費用などで19年に債務超過に陥ったシロカは、2000年に誕生した調理家電を中心に取り扱う白物家電メーカー。現在は新しい経営体制とファンドによる支援により、新生シロカとして再生。旧体制からわずか2年で、売上高を71億にまでアップさせた背景を、金井まり新社長と開発陣に聞いた。

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 新生シロカが、それまでと特に異なるのは、開発に対するモチベーションの高さだ。発売したトースターもそれで終わりではなく、要望に沿って、次のモデルの開発に生かしていく予定だ。

 また新技術にも積極的に挑戦しており、特許も21年だけで10件近く申請。22年もすでに10件以上を予定している。

 旧来のシロカの製品は、どちらかというとデザインや価格、ニッチな企画が売りで、独自技術のイメージはあまり強くなかった。しかし、今後は技術的なアピールもできる体制を作っていくという。

 「とはいえ技術自慢で終わってしまうのは避けたいところです。コストが上がり、価格が上がっても、お客様に認めていただける価値かを冷静に見るようにしたいと思っています。作りっぱなしにせず、商品自体も進化していける会社にしたいですね」(金井氏)

 また小型サイズのケトルと鍋が兼用になった点が人気の『おりょうりケトル ちょいなべ』のリニューアルにも、金井氏の意見が反映されている。

 初代モデルではフタの裏側にネジがむき出しになっていたが、『料理をする立場からするとあり得ない』と改良を指示。2世代目ではむき出しのネジがなくなったほか、鍋自体もセラミックコーティングに変わるなど、使い勝手が大幅に向上している。


ちょいなべの第1世代と第2世代のフタの違い。第2世代では蓋(ふた)の開閉ボタンなどもなくなり、使い勝手がアップした

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