2015年7月27日以前の記事
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九州と北海道 2つの高級クルーズ列車は、リピーターを獲得できるのか杉山淳一の「週刊鉄道経済」(3/10 ページ)

高級クルーズトレインの先駆者「ななつ星in九州」と北海道を巡る「THE ROYAL EXPRESS 〜HOKKAIDO CRUISE TRAIN〜」に新コースが設定された。どちらも国内観光需要の盛り上がりに向けた対応だ。しかし定員を減らして三密を避けつつ、運行とサービスを維持するには顧客単価を上げる必要がある。

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ダイニングカーをサロンに。食堂車は?

 ところで「ななつ星in九州」の報道資料が公開されると、鉄道ファン界隈がちょっとざわついた。こんな記述があったからだ。

  • [サロン(2号車)]お食事などをお楽しみいただいていた2号車がサロンとして生まれ変わります。
  • [バーラウンジ(3号車)]ななつ星の中でもより特別な空間としてバーが誕生します。
  • [新たな食事施設]コースの刷新に伴い、お料理も新しく生まれ変わります。

ダイニングカーはサロンになる(出典:JR九州、報道資料

3号車は寝室を解体してバーラウンジとギャラリーショップを設置(出典:JR九州、報道資料

 文章だけ見ると「高級クルーズトレインから食堂車がなくなる」「食事は地上の新レストランで」と読み取れる。そうなると、各地のレストランを巡るベッドルーム列車になってしまう。しかし、添えられた写真を見ると、1号車のラウンジカーのテーブルに白いテーブルクロスをしつらえて食事を提供する様子が分かる。

 これはどういうことか。JR九州に確認したところ「従来もお食事はダイニングカーとラウンジカーで提供しておりました。リニューアルに当たり定員が減りましたので、テーブル席はラウンジカーで十分と判断しました」とのことだった。公式サイトの電子版パンフレットを確認すると、車中の食事が設定されていた。


食堂車機能は1号車に残る(出典:JR九州、報道資料

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