なぜ「ゴロフキンvs村田諒太」は成立したのか アマゾンがPrime Videoに賭ける“ライバルとは異なる想い”:本田雅一の時事想々(1/5 ページ)
4月10日、ボクシングのビッグマッチ「ゴロフキンvs村田諒太戦」が、AmazonのPrime Video会員向けに追加料金なしでライブ配信された。こうした取り組みから読み取れるAmazonの、競合とは異なる戦略とは?
4月10日、ボクシングのビッグマッチ「ゴロフキンvs村田諒太戦」が、Amazon Prime Video(プライム・ビデオ)会員向けに追加料金なしでライブ配信された。日本でのマッチメイクが行われたことが奇跡とも言われた試合だ。
ファイトマネーだけで総額20億円を超えるスーパーファイト。これまで村田選手の試合は、この試合のプロモーターでもある本田朋彦帝拳会長との縁も深いフジテレビが中継を担当してきた。しかし、コロナ禍で一度は流れたこの試合を日本の会場で実現させるには、過去の国内ボクシング興行とは異なる大きな規模のイベントにせねばならない。
この試合を成立できたのは、グローバルではDAZN、日本国内でプライム・ビデオが放映権に大きな予算を投入したからだ。プライム・ビデオは6月にも世界的に注目される井上尚弥選手とノニト・ドネア選手のボクシング中継を予定している。
この試合が中継される前、3月30日にはプライム・ビデオ初の国内発表イベント「Prime Video Presents Japan」を開催。一連の日本制作のオリジナル映像作品を発表した。制作予算などの規模は未発表だが、いずれもアマゾンが米国あるいは各国で制作している映画、ドラマ、バラエティと同等規模の内容である。
映像配信事業者による日本向けのコンテンツ制作投資は、米Netflixが先行している。数多くの連続ドラマ、アニメ、映画、ドキュメンタリが配信され、現在制作を進めている作品も多い。
しかし、アマゾンのプライム会員サービスは映像配信に限ったものではない。無料音楽配信、買い物のお急ぎ配送無料、プライム会員向けKindle書籍の無料配信など、さまざまな特典サービスが得られる会員制度だ。
実はこの違いこそが、映像配信サービスとしてのプライム・ビデオとNetflixの違いを生み出している。
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