タピオカブームは終焉しても、ゴンチャの店がどんどん増えている理由:週末に「へえ」な話(5/5 ページ)
タピオカブームは終わった――。コロナ前はものすごく人気があって、店はどんどん増えていったのに、いまはどんどん閉店している。そんな状況の中で、タピオカを扱っている「Gong cha(ゴンチャ)」の店は増えているのだ。その理由を分析したところ……。
店舗数が増えた背景
コーヒーの文化は明治期から始まっていて、当時は男性優位の社会だった。いまもその傾向は残っているが、女性の社会進出が進んで、可処分所得が増えている。12年ごろから加速しているわけだが、そのころから女性のカフェ利用者も増えている。ただ、街中にあるカフェのメニューを見ると、基本はコーヒー。「コーヒーは苦手」「お茶を楽しみたい」という人はいたはずなのに、そうしたニーズを満たす店が少なかったのだ。
女性の社会進出と新しいお茶のスタイルがうまく合致して、ファンが増えていく。結果、ゴンチャの店舗数も伸びているというのだ。
このような話を聞くと、「順調、順調」と感じられたかもしれないが、実はそうでもない。日本マクドナルドホールディングスでCEOを務めていた原田泳幸さんが同社で社長をやっていたころ、「2024年には400店舗を目指す」と言っていたが、その数字を実現することは難しい。「店舗数が増えた」とはいっても、120店舗なので、大手カフェチェーンと比べると、まだまだである(ちなみに、スタバは1704店。2021年12月末現在)。
今後も三大都市を中心に店を増やしていくそうだが、筆者はあるところでの出店に期待している。それは「オフィスビルの中」である。大きなビルの1階にスタバやタリーズなどの店が入っていることは珍しくないが、ゴンチャはない。「『オフィスビルに出店するのはどうか?』と検討したことはありますが、当社のメインターゲットはビジネスパーソンではないので、いまのところ計画はございません」(越智さん)
だが、しかしである。先ほどの話のように「女性の社会進出=お茶需要の増加」という公式があてはまれば、オフィスビルに出店する日がやってくるのではないだろうか。もちろんその店は、ゴンチャでなくてもよい。仕事の合間などに多くの女性がお茶を楽しむ姿を見かけるようになれば、どのような社会になっているだろうか。いまよりも”働きやすい環境になっている“はずである。
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