タピオカブームは終焉しても、ゴンチャの店がどんどん増えている理由:週末に「へえ」な話(4/5 ページ)
タピオカブームは終わった――。コロナ前はものすごく人気があって、店はどんどん増えていったのに、いまはどんどん閉店している。そんな状況の中で、タピオカを扱っている「Gong cha(ゴンチャ)」の店は増えているのだ。その理由を分析したところ……。
タピオカ屋にはなりたくない
またまた話が変わって申し訳ない。ゴンチャでタピオカをトッピングする人は、どのくらいいるのだろうか。ブームのときは90%を超えていたが、いまは82%ほど。「ブーム終焉」という言葉をよく耳にしていたので、半分ほどに落ち込んでいるのかなと思っていたが、10ポイントほどの減少にとどまっている。
このことについて、同社でマーケティングを担当している越智大志さんに聞いたところ「タピオカではなく、ナタデココやフルーツをトッピングする人が増えてきている」そうだが、この変化を前向きに受け止めているようだ。
ビギナーの多くはトッピングにタピオカを選ぶが、リピーターになると違うモノを選ぶ人が増えてくるという。つまり、全体の売上構成比の中で、タピオカの存在感が低下しているということは、「固定ファンが増えてきている」とも言えるのだ。
もう1つ、越智さんは気になることを言っていた。それは「当社はタピオカ屋になりたくないんですよね」と。タピオカを扱っている、しかも減ったとはいえ8割ほどの人が注文しているのに、なぜ「タピオカ屋になりたくない」のか。誤解している人が多いかもしれないが、ゴンチャ1号店のプレスリリースを見ても(2015年)、「タピオカ屋」とはうたっていなくて、「台湾ティー専門店」と記されている。
海外ではお茶にさまざまなモノを入れて楽しむ文化があって、その中のひとつにタピオカがある。ただ、日本ではお茶の中に何かを入れる文化は根付いていない。紅茶にレモンやミルクを入れる人は多いが、それ以外のモノを入れる人は少ない。そういった文脈で考えると、これまでになかった食文化が若い女性を中心に、じわじわ広がってきているとも言える。
ただ、ここで疑問が残る。なぜ若い女性が好んでいるのか、である。古今東西、おじさん発の新しい食文化はあまりないかもしれないが、「このタイミングで」「若い女性が」というキーワードに何らかの意味が含まれているのかもしれない。
この疑問を越智さんに尋ねたところ、「あくまで仮説ですが……」と前置きをして、次のような答えが返ってきた。
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