タピオカブームは終焉しても、ゴンチャの店がどんどん増えている理由:週末に「へえ」な話(3/5 ページ)
タピオカブームは終わった――。コロナ前はものすごく人気があって、店はどんどん増えていったのに、いまはどんどん閉店している。そんな状況の中で、タピオカを扱っている「Gong cha(ゴンチャ)」の店は増えているのだ。その理由を分析したところ……。
「繁盛店」が多い
ゴンチャは大きな店から小さな店まで展開しているが、なぜさまざまな店を構えることができるのだろうか。答えは、火を使わないから。複雑な工程が必要なメニューを用意していないので、大きな調理器具は不要である。
ということもあって、ちょっとした空きスペースがあれば、出店することができるのだ。「このエリアは若い女性がたくさんいるので、ちょっと出店してみるか。ダメだったらまた違うところに出せばいいんだし」といった考え方ができるので、たくさんの失敗を積み重ねることができる。失敗しても→知見がたまる→次の出店に役立つ→人気店を増やす、といった流れが生まれているのかもしれない。
一般的に、外食チェーンの坪月商は30万円を超えると「繁盛店」と呼ばれているが、客単価が低いカフェは10万〜15万円ほどであれば「まあ、よし」と考えられている。そんな中で、ゴンチャの客単価は520円ほどで、平均の坪月商は30万円ほど。一般的なカフェと比べて、2倍ほどの売り上げを確保しているのだ。
ちょっと話は変わるが、ゴンチャの店の60%ほどはスタバの近くにある。以前、中華チェーンの日高屋は出店の際、マクドナルドや吉野家の近くを意識しているといった記事を読んだことがある。(参照リンク)
マクドナルドと吉野家のファンは多い。しかし、1日3食同じモノを食べているわけではない。また、両社は出店にあたって、さまざまなことを調べている。駅の乗降客数、人の流れ、家賃相場など。店が採算に乗るかどうかをきちんと調べているので、その近くであれば大丈夫というロジックである。
こうした戦略は「コバンザメ商法」とも呼ばれているが、ゴンチャもスタバの客のおこぼれで商売をしているのではないか。このことを担当者にぶつけてみたところ「当社のメインターゲットは若い女性。こうした層はスターバックスさんも利用されているので、結果的に近くに出店しているのかもしれません」とのこと。
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