タピオカブームは終焉しても、ゴンチャの店がどんどん増えている理由:週末に「へえ」な話(2/5 ページ)
タピオカブームは終わった――。コロナ前はものすごく人気があって、店はどんどん増えていったのに、いまはどんどん閉店している。そんな状況の中で、タピオカを扱っている「Gong cha(ゴンチャ)」の店は増えているのだ。その理由を分析したところ……。
立川と吉祥寺の店に注目
なぜ、ちょっと違うのか。4月〇日、筆者はブームの火付け役ともいわれている「Gong cha(ゴンチャ)」の店の前を歩いていて、たくさんの人が並んでいる姿を目にしたからだ。
「小さな店に、女子高生の集団が店を訪れていたんだよ。それをたまたま目撃しただけじゃないの?」と思われたかもしれないが、そうとも言い切れないデータがある。ゴンチャの店舗数を見ると、どんどん増えていって、コロナ禍の2年間に56店もオープンしていたのだ。
フードビズがまとめた「コロナ禍に店舗を増やした外食チェーン」のデータをみると、トップは「スターバックス」で166店。次いで「コメダ珈琲」(69店)、「スシロー」(67店)と続き、ゴンチャは4位にランクインしているのだ。
タピオカを扱う店がどんどん撤退していく中で、なぜゴンチャは増やすことができたのだろうか。大前提として、商品の魅力がなければいけない。直近でいうと、3月に発売した期間限定メニュー「いちご杏仁阿里山ミルクティー」と「いちご杏仁阿里山フローズンミルクティー」は、約3週間で25万杯を突破。期間限定商品として、国内ゴンチャ史上最大のヒットとなっている。
このほかにも、ファンを魅了する商品はあるが、個人的には立地戦略に注目している。分かりやすい事例として、東京の立川駅の店を紹介しよう。エキナカに2つの店を構えていて、グランデュオ立川店には96席あるが、ルミネ立川店は0席である。グランデュオの店は同社で最大の席数がある一方で、ルミネの店はテークアウト専門である。
席数に極端な差があるが、同社としては次のような狙いがある。「歩き疲れた。イスに座ってゆっくりしたい」という人はグランデュオの店に行ってもらって、「ドリンクを飲みながら買い物をしたい」という人はルミネに足を運んでもらう。
同じように吉祥寺にも2つの店を構えていて、駅から徒歩4分ほどのとろにあるコピス吉祥寺店とエキナカのアトレ吉祥寺店がある。こちらはどちらも席を設けているが、コピスは16席、アトレは8席といずれも小さな店を展開している。
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