イーロン・マスクのTwitter買収劇、その真実に迫る:世界を読み解くニュース・サロン(2/5 ページ)
イーロン・マスク氏によるツイッター買収劇は、どのようにして始まったのか。マスク氏とツイッター社のこれまでの関係や「敵視」を向けたタイミングなど、ここ数年のツイート内容などから考察する。
マスク氏がツイッターに見せた「敵視」
ただ、ここで話は終わらない。結局、21年11月にドーシー氏はCEOを辞任し、後任はCTOだったパラグ・アグラワル氏となることがツイートで明らかになった。マスク氏にとって「いいやつ」がいなくなったのである。
マスク氏はこれを機に、ツイッター社に対する「敵視」をあらわにする。象徴的なのは、次の4つのツイートだ。
まずは12月2日、新CEOのアグラワル氏がドーシー氏を川に落としたと見られるコラージュ写真をツイートした。
3月25日にはツイッターで投票を行い、こう聞いている。「言論の自由は民主主義に欠かせない。ツイッターはこの原則を忠実に守っていると思う?」
これには200万人以上が投票し、70.4%が「ノー」と投票する結果になった。
これは第45代米国大統領のドナルド・トランプ氏などのツイッターアカウントが永久凍結されて、声を奪われている人がいることを示唆している。ツイッター社が自分たちの判断で公共のプラットフォームとなっている場から追い出してもいいのか、という問いかけだ。
もう1つは、翌26日のツイートだ。「ツイッターは公共の意見交換の場なのに、言論の自由の原則に従わなければ、民主主義を根幹から揺るがす。何をすべきだろうか?」
さらに4月5日には、ツイートでまたアンケートを実施。「編集機能はほしい?」との質問に、73.6%が「イエス」と答えている。ツイッターの編集機能については、発言が消えてしまう可能性がありツイッター社も慎重に検討しているが、今後実装する計画があるという。
4月9日には、人気アカウントのほとんどがあまりツイートしていないことに対し「ツイッターは死んでるの?」とつぶやき、「ジャスティン・ビーバーは年に1回しかツイートしていない」と指摘した。
とにかく、これらはツイッター社への牽制以外の何ものでもない。ツイッター自体はドーシーCEO時代からそう変わっていないにもかかわらず、だ。
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