キッズ需要が55倍に! 10年で激変した「脱毛市場」に迫る:親が子どもに(5/5 ページ)
美容の低年齢化が進むなか、脱毛サロン「エピレ」では、7〜15歳の女性を対象にした「キッズ脱毛」が飛躍的に向上。2011年のオープン当初からの10年で、新規顧客に占めるキッズの割合は約55倍になっているという。ここ10年で脱毛市場は、どう変化しているのか。
SNSで情報入手、容姿へのこだわり強く
エピレでキッズ脱毛の利用者が増えた理由について、広報担当者は「SNSの影響が大きいようだ」と話す。
「近年は、SNSで美容に関する情報を得たり、自分が写真や動画に写ることを意識したりして、脱毛を始めたいと考える人が多いように思います。キッズ世代の脱毛利用者が増えている現状をテレビの情報番組やWebメディアなどに取り上げていただく機会も多くありました」(広報担当者)
美容外科の「東京イセアクリニック」が小中学生(女性8〜15歳)に対して実施した「美容・整形に関する意識調査」(※3)では、美容の情報源は「ユーチューブ」が1位となった(小学生44.0%、中学生65.7%)。また、中学生は2位が「Instagram」(57.7%)、3位が「TikTok」(54.9%)、小学生は3位が「TikTok」「テレビ番組」(いずれも28.0%)と、主にSNSから美容情報を入手している様子が見られた。
同クリニックでは、2015〜20年の6年間を比較して、10代患者の来院者数が4.0倍に向上している。中でも最もポピュラーな二重手術は極端な推移を見せており、「目元の整形(埋没法・切開法ほか)」をした10代患者件数は約38.5倍、「プチ整形(埋没法・注入)」は24.6倍に増加している。
同クリニックの吉種克之総院長は、「美容に関する情報を容易に知る機会が増え、タレントの美容整形手術公表に対して肯定的な意見があふれるなど、美容整形が格段に身近になったと思う。写真加工アプリも多く登場し、『加工前の自分(現実)を、加工後の自分(理想)に近づけたい』と希望する人も多いように感じる」などとコメントしている。
エピレの広報担当者は、「ここまでキッズ脱毛が増えるとは予想していなかったが、今後さらに増えるのではないか」と話す。小中学生が脱毛を開始するのは暖かくなる春先が多く、「卒業・入学祝い」として保護者が脱毛コースをプレゼントするケースもあるそうだ。
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