連載
吉野家、ミスターチーズケーキ、牛宮城、食品表示で炎上が絶えない根本原因:専門家のイロメガネ(5/7 ページ)
元雨上がり決死隊の宮迫博之さんの焼き肉店で、メニュー表記をめぐってトラブルが発生し、大きく報道された。高級チーズケーキを販売するMr. CHEESECAKEでもTwitterでの炎上騒ぎがあった。表示をめぐる問題はたびたび発生しているが、一度発覚すると企業のブランドを大きく損なう。企業はどうすればいいのか。
「消費者はどう理解するか」という視点の欠如
ミスターチーズケーキの件も、消費者と事業者の認識に大きなズレが見られる。
賞味期限は製造日から冷凍保存6カ月とWebページ上で説明していながら、顧客の元には製造から4カ月経過したケーキが届いている。当初ミスターチーズケーキ側は、賞味期限は冷凍保存で製造後6カ月という内容に偽りはなく、また製造から何日経ったものを送るかまでは表記していなかったため、問題ないと考えたようだ。
しかし「消費者はどう理解するか」という視点で見るとどうか。
賞味期限は冷凍保存で製造後6カ月という表記を見た消費者は通常、賞味期限までほぼ6カ月の商品が届くと認識するだろう。筆者が見る限り、このケースは消費者が勘違いした、勝手に誤読したとはいえない内容だ。
説明文に偽りがなかったとしても、情報の受け手である消費者に正確に伝わっていない時点で表示としては不十分であり、事業者側の意図とは関係なく不当表示になり得る。こうした視点が欠けているといえる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
宮迫「牛宮城」は成功するか カギを握る“実力者”の正体と、売り上げ「1日100万円」の壁
元「雨上がり決死隊」で、現在はユーチューバーの宮迫博之氏が高級焼き肉店「牛宮城」をオープンした。経営の支援をしているのは、ハンバーガー店などを経営する“実力者”。高級焼き肉店のビジネスモデルを分析する。
吉野家元常務の舌禍事件から考える マーケティング業界の病巣とシニア権力を持ち続けるリスク
「生娘をシャブ漬け戦略」という破廉恥ワードはなぜ生まれたのか。背景にはマーケティング業界の問題と、シニア世代の価値観があると筆者は指摘する。
「生娘をシャブ漬け戦略」で大炎上! なぜ吉野家の役員は“暴言”を吐いたのか
吉野家の常務取締役企画本部長が、女性向けマーケティング施策を「生娘をシャブ漬け戦略」などと表現して、大炎上している。それにしても、なぜ大手企業の役員がこのような“暴言”を吐いたのだろうか。筆者の窪田氏は……。
「バイトテロ」ならぬ「上層部テロ」で炎上の吉野家、それでも株価は上がり続けるワケ
吉野家では「バイトテロ」から一歩進んで、「上層部テロ」が脅威となっているようだ。しかし、吉野家は複数の炎上を経ても株価が下落するどころか、むしろ上がっているのだ。
