連載
ロシアに進出している企業はどうなる? 撤退は「吉」か、継続は「凶」か:世界を読み解くニュース・サロン(1/5 ページ)
ロシア国内で海外の各企業はどのような対応を取っているのか。大手外国企業1000社以上のロシア国内での動きをウォッチしている、ある研究所のデータによると……。
最近、ミャンマー発でこんなニュースが報じられた。
『石油元売り大手のエネオスホールディングス(HD)は2日、ミャンマーで手掛けている天然ガス事業から撤退すると発表した。昨年2月の国軍によるクーデターで、事業の収益が国軍側の資金源になっているとの批判が強まっていた』(読売新聞 5月2日付)
ミャンマーといえば、2021年にクーデターが勃発して、国軍が国家を掌握。恐怖政治で国民を弾圧してきた軍事政権時代に逆戻りしたとして、欧米諸国などから非難を浴びていた。そこで「キャンセルカルチャー」が盛り上がり、ミャンマー軍政とビジネスを展開する企業に対し、欧米政府や活動団体などが批判することで、「ボイコット運動」が始まるパターンも起きた。
最近では、紛争などで人権問題が浮上すると、企業がその地域から撤退すべきというプレッシャーを受けるキャンセルカルチャーが当たり前のようになってきた。インターネットやSNSの時代になって、ボイコットなどがやりやすくなっているためで、企業側も直接的な打撃を受けやすくなった。
そして現在、ウクライナに侵攻し、各地で民間人を殺害しているとされるロシアに対しても、西側の民間企業が同国内のビジネスについてこれまでにないレベルで再考させられている。
関連記事
- 知床遊覧船のような「観光ブラック企業」は、どのような特徴があるのか
北海道の知床半島沖で26人が乗った観光船が沈没した事故で、運営会社「知床遊覧船」のブラックぶりが次々と明らかになっている。「観光ブラック企業」にどのような特徴があるのか。知床遊覧船の公式WebサイトやSNSを見ると、そのヒントが詰まっていて……。 - 食欲が減退する「青色」なのに、なぜ「青い富士山カレー」は18万食も売れたのか
青色をした「青い富士山シリーズ」が売れていることをご存じだろうか。カレーもパンもチョコもビールもヒットしている。食欲を減退させる「青色」なのに、なぜ人気を集めているのか。その秘密を取材したところ……。 - ちょっと前までブームだったのに、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか
どうやら「高級食パン」のブームが終わるようだ。最近、さまざまなメディアがこのように報じているわけだが、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか。その背景には、2つの理由があって……。 - 丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
またまた炎上した。丸亀製麺が讃岐うどんの本場・丸亀市と全く関係がないことである。このネタは何度も繰り返しているが、運営元のトリドールホールディングスはどのように考えているのだろうか。筆者の窪田氏は「讃岐うどんの看板を下ろしたほうがいい」という。なぜなら……。 - なぜ「プリウス」はボコボコに叩かれるのか 「暴走老人」のアイコンになる日
またしても、「暴走老人」による犠牲者が出てしまった。二度とこのような悲劇が起きないことを願うばかりだが、筆者の窪田氏は違うことに注目している。「プリウスバッシング」だ。どういう意味かというと……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.