「高級食パンブーム終了はむしろ歓迎」 乃が美が、強気に“世界一”を目指す理由:今夏には「幻の食パン」も(3/5 ページ)
乃が美ホールディングスは「社運を賭けた取り組み」として、5月31日までの期間限定で、販売する食パンを創業時の素材配合で作る『復刻「生」食パン』に切り替える。その戦略を乃が美ホールディングスの小林祐人取締役営業本部長に聞いた。
高級食パンブームの陰りは「チャンス」
乃が美は高級食パンブームの火付け役として業界を牽引(けんいん)してきた。一時期は各店舗に大行列ができるなど大きな話題となった。小林取締役は、当時の売り上げは「異常値だった」と振り返る。
「19年頃はメディアに取り上げていただく機会が多く、大きなブームになっていました。今にして思うと、パン屋の1店舗あたりの売り上げとしては多すぎるといいますか、異常値だったと思います。当然ながら、その状態が長く続くとは思っていませんでした。今は当時に比べれば1店舗あたりの平均売上額は小さくなっていますが、むしろ普通の状態に戻ったと思います」
ブームが盛り上がった当時には、参入する業者も増えて高級食パンを販売する店舗が乱立。最近は他店で閉店も目立つようになった。それでも小林取締役は「ブームが終わったことはむしろチャンス」と言い切る。
「当社は創業時より食文化を創造し、おいしい食パンを届けたい思いでやってきましたので、ブームを仕掛けたつもりはありません。結果的にブームが起きたことは、高級食パンを知っていただく意味では良かった面もあります。
その一方で懸念したのは、ブームが起きたことで、食への思い入れのない事業者が参入することです。価格だけ高級なパンを召し上がった方が、高級食パンそのものにネガティブなイメージを持つことを恐れていました。
今、ブームが終わったとメディアの皆さんに言われることは、当社にとってはむしろ良かったと思っています。ブームが終わったからと言って、消えていくつもりはありません。逆に、高級食パンを食文化として残していくチャンスだと捉えました。原点回帰して復刻のパンを発売するのも、初めて商品発表会を開催したのもその思いからです」
関連記事
- 市販の食パン人気調査 3位「超芳醇」、2位「ダブルソフト」、1位は?
「お気に入りの食パン」の調査を実施した。その結果、お気に入りの食パン1位に選ばれたのは? - 好きなお土産菓子ランキング 3位「もみじ饅頭」、2位に「八つ橋」、1位は?
8月7日の「東京ばな奈」の日にちなんで、好きなお土産菓子や、物産展などで購入したことのあるお土産菓子について調査。その結果、好きなお土産菓子1位に選ばれたのは札幌市の菓子メーカー、石屋製菓が製造・販売している「白い恋人」だった。 - 浅草で142年続く「すき焼き店」を事業承継 老舗が決断に至った背景とは?
外食事業会社WDI GROUPは、創業142年を誇る浅草のすき焼き店「ちんや」の暖簾(のれん)を承継した。新型コロナウイルスの余波が経営を直撃し、21年8月に閉店を余儀なくされた。しかし、伝統あるすき焼き文化を絶やしてはいけないとWDIが事業を受け継ぎ、場所を移転して再オープンすることとなったのだ。 - 「この企業に勤める人と結婚したい」ランキング トヨタ自動車、任天堂をおさえての1位は?
「この企業に勤める人と結婚したいランキング調査」。1位は「地方公務員」(28.6%)だった。 - 苦戦のコーヒー業界で黒字転換 「豆で勝負した」タリーズが狙うのは“在宅需要”
伊藤園の2021年5〜22年1月期の連結決算ではタリーズコーヒー事業の営業損益は8億2200万円の黒字へ転換し、苦戦が続く飲食業界のなかで光明を見いだしている。黒字転換の要因は何なのか。タリーズコーヒージャパンのマーケティング本部でグループ長に、国内のコーヒー市場の変化に対するタリーズコーヒーの戦略を聞いた。 - はじめしゃちょー、タリーズも熱視線 「トムとジェリー」が若者に支持され続ける理由
タリーズコーヒージャパンは「トムとジェリー」とのコラボ商品を発売した。日本を代表するYouTuberのひとり、はじめしゃちょー氏は「トムとジェリー」のファンであることを公言している。同氏に、トップクリエイターも手本にしている「トムとジェリー」のコンテンツ力の秘密を聞いた。 - タリーズコーヒーが『トムとジェリー』とコラボ はじめしゃちょーが同作の魅力語る
タリーズコーヒージャパンは2月10日、アニメ『トムとジェリー』とのコラボレーション第3弾として、コラボ商品を発売した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.