「高級食パンブーム終了はむしろ歓迎」 乃が美が、強気に“世界一”を目指す理由:今夏には「幻の食パン」も(2/5 ページ)
乃が美ホールディングスは「社運を賭けた取り組み」として、5月31日までの期間限定で、販売する食パンを創業時の素材配合で作る『復刻「生」食パン』に切り替える。その戦略を乃が美ホールディングスの小林祐人取締役営業本部長に聞いた。
技術の蓄積を生かした『復刻「生」食パン』
「原点回帰した復刻生食パンは、乃が美として社運を賭けた取り組みと言っても過言ではありません。創業期の配合比率と、22年現在の技術を掛け合わせ、創業期を超える味わいにできました。創業から9年の歴史の中で進化を遂げてきた現在の生食パンと、復刻生食パンの味の違いや機微を、多くのお客さまに提供していきたい」
乃が美ホールディングス店舗運営課の福田圭一課長は、発表会で新商品にかける思いを語ると、1本の『復刻「生」食パン』を両手で持った。食パンは少し手を動かしただけで柔らかく切れていく。柔らかさと甘さを控えめにした味わいが、『復刻「生」食パン』の特徴だ。
乃が美ホールディングスは13年に創業。高級食パンのパイオニアとして20年には全国47都道府県に出店を広げ、22年3月時点では国内で255店舗を展開。3月には台湾でも店舗をオープンし、初めての世界進出を果たした。
東京都内で開かれた『復刻「生」食パン』の発表会は、乃が美にとっては初めての試みだった。それだけこの商品に力を入れていることが分かる。インタビューに応じた小林取締役は、『復刻「生」食パン』の魅力を次のように語った。
「乃が美の創業時からの思いは、主食として飽きずに食べられる食パンを提供して、日本の食文化を創造することです。
この9年間、釜の温度や発酵の時間を季節によって細かく調整するなど、技術を蓄積してきました。この技術を生かして、材料を創業期の配合にしたら、どんなパンができるかチャレンジしたところ、非常においしいものができました。原点に回帰した結果、後味がすっきりした主食性が高まったパンに仕上がったと思います」
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