「社員が副業をする」と言ってきた メリットは3つ、デメリットは2つ:マネジメントのポイント(2/4 ページ)
パーソル総合研究所の調査によると、55%の企業が正社員の副業を認めているという。この数字はじわじわ増えているわけだが、こうした動きに対して企業はどのように対応すればいいのだろうか。メリットとデメリットをまとめてみた。
副業容認の3つのメリット
まずは、企業が社員の副業を容認することによって得られるメリットについて考えていこう。
(1)社員のスキルアップが見込める
同じ会社に長く勤めていると、その会社における固有のスキルは身についていく一方で、汎用的なスキルは身につきにくいという側面がある。その対策として、ジョブローテーションの仕組みを取り入れるのも一手ではあるが、社員の副業も考慮に入れるべきだと考えている。副業により社外のノウハウを知ることができた社員は、培ったスキルを自社へ貢献してくれることが期待できるからだ。
そもそも「社外で使うリソースがあるのなら、それを自社のために使ってほしい」と人事担当者は思うかもしれない。しかし、副業を通じて社員がスキルアップをすればするほど、自社業務の生産性向上や成果にもつながり、結果的に企業にとってプラスに作用するであろうことにも目を向けるべきだ。
(2)社員エンゲージメント向上につながる
社員の行動を制限し、自社の規則に縛り付けるばかりでは、「この会社で働き続けたい」と思ってもらうことは難しい。副業・兼業が一般化しつつある現代ではなおのことだ。つまり、「ウチの会社は副業が禁止だから、容認している会社に転職しよう」と考える社員が出てくるリスクすらある。
個の時代とも言われる今、むしろ副業を導入することで、社員一人ひとりが希望する働き方・生き方を尊重することが大切だ。このような企業の姿勢が、自社への定着率向上に直結してくる。
(3)他社ノウハウが分かる
組織運営の仕方、チームマネジメントの方法など、他社の内情を知る機会はなかなかない。対外的な「企業の顔」と、その内実が異なるケースも意外と多い。そんな中、社員が副業先で他社の実態を垣間見ることで、新しい視点が得られる可能性もある。
他社での経験を元に、良い部分を自社に取り入れていくことは、変化の多い現代の波に乗り遅れないようにするために重要だとも言えよう。
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