ワークマンの靴専門店、業界一強「ABCマート」の牙城を崩せるか:磯部孝のアパレル最前線(5/5 ページ)
ワークマンは4月1日、スピンアウトさせた新業態「ワークマンシューズ」が、大阪市の商業施設「なんばCITY」オープンした。日本のシューズ市場はエービーシー・マート一強の時代が続いている。その理由とは?
ようやくここに来て、行動制限が掛からない連休も過ごせるようになった。出勤、会食と外出の機会も増え、生活者の行動パターンの変化とともにアパレル商品の売れ筋も変わってきた。しかし、2年間の行動自粛は“生活習慣”として色濃く残っている。この現状を考えれば、元の社会に戻るには多くの時間を要するはずだ。また、ウクライナ紛争を始めとしたインフレ圧力も消費には影響してこよう。
ワークマンシューズは、なんばCITY店を皮切りに、6月には東京・池袋に2号店を出店する予定だ。取り扱い製品アイテム数が現状の62アイテムから150アイテムに増えた段階で、路面店の出店も計画している。店舗数は、路面店の出店から10年で200店舗にまで増やし、売上高300億円、ワークマン全体でのシューズの売り上げは600億円を目標にしている。
エービーシー・マート一強のシューズ業界で、新たな起爆剤としてどんな化学反応が起きるのか――。個人消費が伸び悩む中で、新たな消費喚起のきっかけになって欲しいと願うばかりだ。
著者プロフィール
磯部孝(いそべ たかし/ファッションビジネス・コンサルタント)
1967年生まれ。1988年広島会計学院卒業後、ベビー製造卸メーカー、国内アパレル会社にて衣料品の企画、生産、営業の実務を経験。
2003年ココベイ株式会社にて、大手流通チェーンや、ブランド、商社、大手アパレルメーカー向けにコンサルティングを手掛ける。
2009年上海進出を機に上海ココベイの業務と兼任、国内外に業務を広げた。(上海ココベイは現在は閉鎖)
2020年ココベイ株式会社の代表取締役社長に就任。現在は、講談社のWebマガジン『マネー現代』などで特集記事などを執筆。
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