安さが売りだった「しまむら」を変えた! 子ども服「バースデイ」のあなどれない実力:磯部孝のアパレル最前線(1/4 ページ)
出生数の減少に歯止めが止まらない中、ベビー・子ども服関連で快進撃を続けているチェーン店がある。それが、しまむらグループのバースデイだ。
出生数の減少に歯止めが止まらない――。厚生労働省が発表した2020年の人口動態統計(確定数)によれば、20年の出生数は84万835人と、前年に比べ2万4044人少ない結果となった。21年値はコロナ禍の影響を考えれば上昇の期待は持てず、21年上半期を見ても40万5029人と前年同期の43万709人から6%減少している。
また、合計特殊出生率は1.34人と、15年秋に政府が目標とした希望出生数1.8人には遠く及ばない。
社会、経済の基盤となる将来の人口数の推移に不安がよぎる中で、ベビー・子ども服関連で快進撃を続けているチェーン店がある。それが、しまむらグループの「バースデイ」だ。
2000年の開業以来、全国に298店舗(21年2月時点)を構え、取扱商品は出産準備品のマタニティ衣料からベビー用品まで約7万点。標準売り場面積900平方メートルの標準店で展開している。
今年で22年目を迎えるバースデイの直近5年の売上高と展開店舗数をまとめた。17年2月期の売上高は468億円。その後右肩上がりを続け、22年2月期は642億円を見込んでいる。
しまむらから別業態で生まれた1号店は、1997年に誕生したヤングカジュアルを取り扱う「アベイル」。本業のしまむらに次ぐ業態として成長してきたものの、売上高では、18年2月期にバースデイに抜かれてしまった(バースデイ:513億円、アベイル:507億円)。
バースデイがここまで順調に成長できた一番の理由は、JB(Joint Development Brand)と呼ばれるライセンスブランドへの取り組みによるところが大きい。
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