安さが売りだった「しまむら」を変えた! 子ども服「バースデイ」のあなどれない実力:磯部孝のアパレル最前線(2/4 ページ)
出生数の減少に歯止めが止まらない中、ベビー・子ども服関連で快進撃を続けているチェーン店がある。それが、しまむらグループのバースデイだ。
バースデイを支える“JB”とは?
このJBと呼ばれるライセンスビジネスの仕組みについて少し説明しておきたい。通常のブランドライセンスは、マスターライセンサーとメーカー・小売店が直接契約をする。一方、JBにおいては、バースデイと取引のあるサプライヤーとライセンサーが契約を結び、サプライヤーがロイヤリティーを支払う仕組みである。
あくまで特定の流通を限定した契約となるため、バースデイがライセンシングした方が早い気もするが、取引のあるサプライヤーとのライセンス契約したJBブランドの売れ行きが好調なのである。
取引のあるサプライヤーといっても、工場や素材などそれぞれに特徴を持っている事が多く、ニットが得意なサプライヤーもあればシャツの得意なサプライヤーもある。それを「JB」という冠のもとに集め、適時適宜に選ばれたサプライヤーが物作りに関わるというように、サプライヤーの特長がJBに生かされるという仕組みだ。
するとブランドによる商品カテゴリーの偏りや商品の品質レベルの不均一さといったところが解消できる。ここにJB商品に多くの支持が集まっている理由があるのだ。
バースデイのJBというと「tete a tete(テータテート)」「futafuta(フタフタ)」の2ブランドが主力で、直近の第3四半期累計の売上高に占めるJB比率は28.5%(前年同期比4.3ポイント増)にまで高まっている。
futafutaは14年、tete a teteは18年秋からスタートしたブランド。futafutaのブランドコンセプトが「絵本から飛び出した元気で楽しい北欧ナチュラルスタイル」で、tete a teteは「シック&トラディショナルをベースに形と色にこだわったスタイル」とある。
両ブランドともナチュラルテイストなのが大きな特徴ともいえる。くすみパステルカラーに代表されるように、ここ数年に渡ってレディス、メンズでもナチュラルなテイストが流行している。
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