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月400時間労働のブラック企業、平均残業4時間の超ホワイト企業に 大変革を支えた「3つの制度」とは?離職率は20→2%に(2/3 ページ)

2000年創業のシステム開発のゆめみ、一部の創業メンバーの当時の労働時間は月に400時間を超えていたという。離職率が20%超えの時期もあった。創業したばかりという状況はあるものの、ブラック企業と言っても過言ではない。そんな企業が改善を重ね、月165時間労働・離職率2%にまでたどり着いた。どのような取り組みがあったのだろうか? 変革の要となった3つの制度とともに振り返ってみたい。

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「給与は自分で決めます」

 全社員がCEOなのだから「給与だって自分で決めていいだろう」という考えで誕生したのが「給与自己決定制度」だ。

 通常、企業の評価時期は年に2回。そのタイミングで昇給できなければ半年は同じ月給で過ごすことになる。この制度はもちろんそんな”当たり前”から逸脱している。好きなタイミングで給与変更の申請が可能。承認されれば、翌月から反映される仕組みだ。

 自分で自分の給与を設定できるとしたら、とんでもない金額を吹っかける社員も出てきそうだが、「給与の社内相場として職種・職能による指標を設けている。また給与決定の際には3人以上のレビュー(評価)をもらうという条件がある」と仲川氏。

 とはいえレビューはあくまでも参考程度。最終的には本人が金額を決定する仕組みだが、これまで法外な給与を設定した社員はいないそうだ。「自分で自分の価値(給与)を決めるのがつらい。(給与に見合う成果を出せる自信がないので)上げるのが怖いといった声もある。むしろ、かたくなに給与を上げようとしない人もいる」(仲川氏)


給与も自分で決めることができるという(画像:ゲッティイメージズより)

 なお、自分の仕事ぶりをレビューしてもらう相手に決まりはない。同じチームのメンバーを選ぶ人が多いのは、その人の能力や案件への貢献度を一番よく知っているのが、同じチームで働くメンバーだからだろう。

 妹尾氏によれば、レビューの段階で「もっと上げてもいいんじゃない?」と言われる人もいるとのこと。また社内相場より低いままの給与でいる人がいれば、片岡氏が直接その人の仕事ぶりなどを周囲にヒアリングした上で、必要に応じて(昇給を申請するように)声掛けをすることもある。

 同社創業時から在籍する仲川氏の現在の給与は1300万円台。自分の働きと成果を考慮して、決めたため「誰一人として文句を言ってくる人はいなかった」と話す。

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