「やりたいことができない」と新人が早期離職──防止のため、企業がすべきこととは?:「3つの円」のフレームワーク(1/3 ページ)
新入社員の早期離職は、多くの企業において深刻な課題となっている。「やりたいことができない」と若手が離職してしまうのを防ぐために、企業は何をすべきなのか。
新入社員の早期離職は、多くの企業において深刻な課題となっています。そこで今回は入社時に必要な意識改革について解説します。
新入社員が身に付けるべき職業観とは
新入社員を会社に受け入れる際、重要視すべきテーマの1つとして、学生から社会人への意識変革が挙げられます。
学生時代にサービスを「与えられる存在」でしたが、社会人になるとサービスを「与える存在」に変わる点が大きなポイントであり、このタイミングで、「自立」「責任」といった正しい職業観を持つことが重要になります。
なぜ正しい職業観が必要か
職業観とは、仕事や職業、社会に対する見方、考え方、態度を指し、勤労観やキャリア観などと言われることもあります。
正しい職業観を持たず、学生気分のまま仕事につくとさまざまなトラブルが発生します。
例えば、「数分くらいの遅刻であれば大きな問題ではない」と考えたり、自分のやりたくないことは手を抜いたりするケースがあります。
学生であれば遅刻をしたり、やらなければならない課題に対して、手を抜いて単位を落としたりしても、困るのは自分であり、周囲の人には迷惑が及ばないことが多かったでしょう。
しかし、社会人ともなると、わずかな遅刻であっても関係者の時間を無駄にしてしまいますし、仕事の手抜きにより求められた業務がこなせないと、取引先の信用を失うことに加え、場合によっては契約が打ち切られるといった問題に発展しかねません。
さらには、こうした社員の存在が原因で社内の風紀が乱れることにもなるでしょう。
このような問題を起こしていると、本人も会社に居づらくなり、仕事に対する意欲も減退して、早期退社へとつながる場合もあるのです。
そのため、新入社員には正しい職業観を持って、真摯(しんし)な態度で仕事に向かってもらうことが重要となります。
関連記事
- 幹部候補か、“万年ヒラ”か キャリアの分かれ目「30代以降の配置」を、人事はどう決めている?
「育成」の観点から異動配置させる20代が過ぎると、多くの企業は「幹部候補の優秀人材」と「それ以外」の社員を選別します。人事は、そうした異動配置をどのように決めているのでしょうか。年代層別の異動配置のロジックをみていきます。 - 「優秀でも残念でもない、普通社員」の異動に、人事が関心を持たない──何が起きるのか
社員の異動を考える際、人事部が真っ先に関心を持つのは「優秀社員」と「残念社員」。その間にいる大多数の「普通社員」は後回しにされがちという実態がある。しかし、この層への取り組みを疎かにすると、ある懸念が生まれる。 - 「優秀だが、差別的な人」が面接に来たら? アマゾン・ジャパン人事が本人に伝える“一言”
多様性を重視するアマゾン・ジャパンの面接に「極めてだが優秀だが、差別的な人」が来た場合、どのような対応を取るのか。人事部の責任者である上田セシリアさんに聞いた。 - 「部下を育てられない管理職」と「プロの管理職」 両者を分ける“4つのスキル”とは?
日本企業はなぜ、「部下を育てられない管理職」を生み出してしまうのか。「部下を育てられない管理職」と「プロの管理職」を分ける“4つのスキル”とは? 転職市場で求められる優秀な管理職の特徴について解説する。
© 企業実務