収益額3800億円! 世界最高峰のサッカーイベント「UEFA チャンピオンズリーグ」が生み出す巨額マネーの実態(3/3 ページ)
世界最高峰のサッカーのイベント「UEFA チャンピオンズリーグ」の決勝が行われる。決勝戦を前に、大会の収益構造など巨額のサッカーマネーを、大会主催者UEFAの資料などを引用し、解説する。
今季のランキングトップは独バイエルン・ミュンヘン
カップ戦のため、思わぬダークホースが現れ、優勝する場合もある。UEFAはこうした可能性も考慮し、過去10年間のUEFA主催大会での成績を独自係数を用いて数値化するとともにランキング化。継続的に上位進出しているチームに不公平にならないよう、過去大会での成績を評価するシステムを採用している。
CL出場32チーム中、ランキングトップのチームに3638万ユーロ(49億4768万円)を分配する。今季のランキングトップは、ドイツの強豪バイエルン・ミュンヘンだ。29日の決勝戦に臨むリヴァプールは2位、レアルマドリードは5位にランクインしている。32チーム中、最下位のチームでも113万7000ユーロ(約1億5463万2000円)が保証される。
各国で異なる放映権料 分配金にも影響
どの国出身のチームが優勝するかでも、チームが手にする金額が変動する。CLのテレビ放映権料が各国によって異なるからだ。市場給(マーケットプール)は、放映権料の規模に応じて各国で分配率が決まっている。
計3億30万ユーロ(408億4080万円)を各国に分配後、各リーグ内で、参加チーム数や成績(試合数)に応じて、各チームの取り分を決める。サッカー人気が高く、出場チームが少ない国のチームほど、市場給を独占できるという仕組みだ。
これらUEFAからの分配金に加え、試合の主催チーム(いわゆるホームチーム)に入るチケット収入やグッズ収入なども加えると、CLはかなりの巨額マネーが動くスポーツイベントということになる。
今季のCL決勝開催を巡っては、ロシアのウクライナ侵攻によるUEFAの制裁により、開催地がサンクトペテルブルグ(ロシア)からパリ(フランス)に急きょ、変更されるなどの騒動があった。一方で、昨季まで設けていたコロナ禍の観客の収容制限を今季から解除。3季ぶりに観客をフルで収容した決勝戦となる。
岡部代表は「今回は声出し応援もでき、やっとサポーターが楽しめる決勝戦となった。決勝戦ではCL開始から約30年間で蓄積してきた欧州サッカーの興奮が見れるはず。世界最高峰のサッカーと、本物のサッカーが楽しんでほしい」としている。
日本人初の偉業達成なるか
決勝では、日本人初の偉業達成にも注目が集まる。2011-12シーズンに、元日本代表MF宇佐美貴史選手(当時バイエルン・ミュンヘン)が日本人初の決勝ベンチ入りを果たしたことがあったが、これまで日本人選手がCL決勝のピッチに立ったことはない。
南野選手が出場すれば日本人初、アジア人選手ではパク・チソン選手(当時マンチェスターユナイテッド)、ソン・フンミン選手(トットナム)の韓国人2選手に続き3人目の偉業となる。仮にゴールを挙げれば、アジア人初の快挙となる。
今季のUEFA主催大会では、鎌田大地選手・長谷部誠選手が所属する独フランクフルトがELを制覇した。南野選手は2選手に続けるか。巨額のマネーだけでなく、日本人選手の活躍にも注目だ。
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