店内に鳴り響く「キュイーン!」 川崎重工が“メカの駆動音にあふれた”未来型レストランを運営する理由:ロボットが調理から配膳まで担当(2/3 ページ)
配膳を担当するロボットが、目の前に料理を運んでくれる。店内には常に「キュイーン!」「ウィーン!」というメカの駆動音が聞こえてくる。ここは川崎重工が運営する「Future Lab HANEDA」。なぜ、そんな施設を運営しているのか?
天空橋駅に直結 2つのエリアで構成
このFuture Lab HANEDAは、京浜急行・東京モノレールの天空橋駅に直結している大規模複合施設「羽田イノベーションシティ」内にある。ライブ観覧のためにZepp DiverCityを訪れた人は、この施設を見かけたことがあるかもしれない。Zepp DiverCityの「かなり近所」、いやほぼ隣に位置していた。
この施設は、主に2つのエリアで構成されている。1つ目は、先に紹介したロボットを身近に体験できる実証実験場「AI_SCAPE(アイ・スケープ)」だ。調理や配膳などレストランの作業を全てロボットで行うことを目標にした実証実験スペースで、協働ロボットの作業時間や動作範囲など、実装に必要な各種データーの採取を目的としている。
川崎重工のWebサイトでは、同社の精密機械・ロボットカンパニー ロボットディビジョンの高木登(高は「はしごだか」)ディビジョン長が狙いを説明している。
「AI_SCAPEは、一般のお客さまを迎え、コック、ウェイター、ドリンクサーバの全てをロボットが行うレストランの実証実験の場で、ベンチャー企業や研究機関などに研究開発用としてロボットを活用していただくYouComeLab(ユーカムラボ)と共にFuture Lab HANEDAの中核をなす施設です」
この「YouComeLab(ユーカムラボ)」が、ロボットの研究開発に活用できるもう一つのエリアだ。ヒューマノイドロボット「Kaleido」や、冒頭で紹介した自走ロボット「Nyokkey」など、開発中のロボットも含めた最先端のロボットを設置。スタートアップや研究機関が開発したプログラムを実証できるようにした。
同社は、羽田空港に隣接したFuture Lab HANEDA内にオープンな実証の場を設けることによって、気軽に何度でもプログラムを試すことができ、ロボットの社会実装が進むことを期待しているという。
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