2015年7月27日以前の記事
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「スイッチ買ったばかりなのに、もう次のハードが出るの?」 任天堂を悩ます次世代機の投入タイミング妄想する決算「決算書で分かる日本経済」(4/7 ページ)

4回に渡りゲーム企業の決算を取り上げて、日本のゲーム業界の現状と今後について考えていきます。今回取り上げるのは任天堂です。もちろんご存じの通りで「ニンテンドースイッチ(Nintendo Switch)」などのハードも製作していますし、「スーパーマリオ」や「どうぶつの森」などのソフトも製作している日本を代表するゲーム企業です。

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スイッチ単体ではソフト過去最高売り上げだが

 続いてソフト面では、スイッチ単一のハードウェアの売り上げとしては過去最大になったとしています。

 ハードの売り上げは減少したとはいえ、ハードを持っている人数は増加していて、それに伴ってプレイヤー数自体が増えていました。当然ソフトが売れやすい環境になっているのでソフト面は好調だったと考えられます。もちろん今後もその好影響は期待できるでしょう。

 さらにもう1つ、ソフト面で強みがあると考えているのは、数十年単位で売れ続けている定番のコンテンツがあるということです。

 例えば今期のミリオンセラーとなったタイトルを見てみると「ポケモン」や「マリオカート」「どうぶつの森」「ゼルダの伝説」といった定番タイトルが並んでいます。ポケモンやマリオなどが人気ゲームとなってから20年以上たち、今は親世代も子供の頃からゲームをしていた層になっています。

 となると子供にゲームを買う際には、親も知っている、プレイできるゲームというのは需要が増えているはず。親世代が子供の頃から流行っていたような定番のタイトルが売れやすくなっているということが考えられます。定番タイトルは今後も売れやすいはずで、長期的に考えても非常に優位なポジションにいるのではないかと考えています。

 とはいえ、23年3月期の見通しとしては大幅な減収減益の見通しとなっていて、ハード・ソフトともに販売は減少する見通しです。かなり保守的な見通しとなっている気はしますが、経済活動が正常化する中でほかのエンターテイメントの量が増えています。

 当然可処分時間には限りがありますから、ほかのエンターテイメントに取られる時間が増えていく中で業績は悪化していくだろうということですね。

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