「スイッチ買ったばかりなのに、もう次のハードが出るの?」 任天堂を悩ます次世代機の投入タイミング:妄想する決算「決算書で分かる日本経済」(6/7 ページ)
4回に渡りゲーム企業の決算を取り上げて、日本のゲーム業界の現状と今後について考えていきます。今回取り上げるのは任天堂です。もちろんご存じの通りで「ニンテンドースイッチ(Nintendo Switch)」などのハードも製作していますし、「スーパーマリオ」や「どうぶつの森」などのソフトも製作している日本を代表するゲーム企業です。
新ハード投入のタイミングは?
また、任天堂が抱えている今後の大きな課題といえば新しいハードをどうするのかということでしょう。ゲーム機のライフサイクルは6年程度といわれていて、大体5〜7年くらいで新しいハードが出てきます。技術的な進歩がありますので、新しいハードでよりリッチなコンテンツを作っていくことが競争力につながります。
例えばWiiUの発売は12年11月で、スイッチは17年3月の発売。ソニーのプレイステーション4は13年11月の発売でプレイステーション5は20年11月の発売です。スイッチも発売から5年が経ちましたから、通常であれば新しいハードが出始める時期でもあります。
【訂正:6月19日 初出でWiiUがWiiと記載されておりました。お詫びし訂正いたします。】
ですがスイッチに関しては、巣ごもりで大きく普及したということもあり、初期の発売から期間が経った、21年、22年3月期の販売量が非常に多くなっています。これは買ったばかりのユーザーが多いということを意味しています。そんな中で新しいハードを出せばマイナスの印象を与えることも考えられますから、新ハードを出すタイミングの判断は難しくなっているでしょう。
さらに、近年のゲーム業界の大きな変化の可能性の1つとして、5Gの浸透に伴いハードのいらないクラウドゲームがあります。これまでは通信速度が遅いのでハード側で処理を行っていましたが、通信が高速になることでクラウドで処理してもスムーズにプレイできるようになるわけです。
となると今後長期で見るとハードが売れなくなっていくような変化も考えられます。そういった面も含めて判断が難しいのではないでしょうか。
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