AI契約書審査のLegalForce、ビジョンファンド、セコイアなどから137億円調達し米国展開へ
AI契約審査サービスを提供するLegalForceは6月23日、ソフトバンクビジョンファンド(SVF)2をリード投資家とし約137億円を調達したことを発表した。新たに海外事業に取り組み、まずは米国に進出する。
AI契約審査サービスを提供するLegalForce(東京都江東区)は6月23日、ソフトバンクビジョンファンド(SVF)2をリード投資家とし約137億円を調達したことを発表した。新たに海外事業に取り組み、まずは米国に進出する。
SVF2が国内企業に投資するのはLegalForceが4社目。また著名VCのセコイア・キャピタルチャイナ、ゴールドマン・サックスが新たに出資する。それぞれ海外のユニコーン企業の多くに出資する巨大VCであり「グローバルで投資している投資家からも当社の事業を評価いただいた」(LegalForceの角田望社長)。
→【独占取材】ソフトバンクビジョンファンドはなぜLegalForceに出資したのか
AI契約審査のトップ企業、米国に進出
LegalForceは国内約2000社が導入する、AI契約審査サービスのトップ企業だ。契約書をAIが確認し、懸念点や修正が必要な点などを提案し、法務部や弁護士の業務をサポートする。
契約締結にテクノロジーを用いる電子契約は、コロナ禍を背景に普及が進んだが、締結の前後にあたる契約審査や、契約書の管理サービスを提供する企業は少ない。この分野への参入障壁は高く、正確な法的知見、機械学習の技術力、精度を出すための大量のデータ量が重要だと角田氏。同社は300人強の規模だが、2名の創業者を含め8名以上の弁護士が在籍しており、同社の強みとなっている。
調達した資金は採用のほか、海外展開に活用する。「まずは英語圏、米国を中心に展開していきたい」と角田氏。英語圏では1000社を超えるリーガルテック企業が存在しているが、同社が主力とするAI契約審査サービスでは「有力企業が見当たらない」(角田氏)。
2023年3月までに、初期プロダクトを米国市場に投入する計画だ。現在提供しているAI契約審査サービスをそのまま英語対応するのではなく、米国の契約実務をリサーチした上で新たにサービスを開拓していく考えだ。
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