コラム
真っ白なジグソーパズルが、なぜ10年で22万個も売れているのか:週末に「へえ」な話(5/5 ページ)
何も描かれていないジグソーパズルをご存じだろうか。商品名は「宇宙パズル」。メーカーの「やのまん」が10年前から販売していて、ロングセラー商品として注目が集まっているのだ。それにしても、なぜこのような商品を開発したのか。担当者に話を聞いたところ……。
“合格”するのはどっち?
このような感じで入れ替わりが激しい世界なのに、宇宙パズルは違う。買ったことがある人が「2枚目、3枚目……」ということはちょっと考えにくいが、「宇宙飛行士ってカッコイイなあ」と感じる層は、毎年のように生まれてくる。そうした人たちのハートをガッチリつかんでいるのが、この商品の特徴のようである。
話はちょっと変わる。一般的なジグソーパズルの場合、購入したものの、うまくできなかった人から「ちょっとコツを教えてくれませんか?」といった話がよくくるという。なんとしても完成させたいという強い想いがあって、ワラにもすがる気持ちで、製造元に連絡しているのだろう。
では、宇宙パズルの場合はどうか。「お客さんからの問い合わせはほとんどありません」とのこと。完成させることが目的ではなく、宇宙飛行士と同じ問題を解いている――。そのことにワクワクしている人が多いのではないだろうか。
最後に、気になったことをひとつ。何も描かれていないパズルが売れているとなれば、他社からも出てきそうだが、どうなっているのか。以前から真っ白なパズルはあったが、商品名に「宇宙」「試験」といった文言はなかった。が、しかしである。今年、出てきたのだ。
真っ白の世界をめぐって、両社のバトルが繰り広げられるわけだが、“合格”するのはどっちなのだろうか。生き残りをかけた“試験”が始まろうとしている。
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