1on1で部下が泣き出した! オロオロせず、冷静に対処する方法を教えてください:Q&A 新任マネジャー駆け込み寺
1on1で部下にフィードバックをしていたところ、部下が泣き出してしまいました。荒々しい言葉は使っておらず、優しく接していたのですが……。思わずオロオロしてしまいました。どう対処すればよかったのでしょうか?
Q&A 新任マネジャーの駆け込み寺
プレーヤーとして優秀な成績をあげ、晴れてマネジャーに昇進した……と思いきや、求められる役割がガラリと変わり、初めてのマネジメント業務に四苦八苦している人も多いのでは。上からの理不尽な指示、扱いの難しい部下からの突き上げなど、新任マネジャーが直面しがちなお悩みに答えます。答えてくださるのは、経営者JP 代表取締役社長・CEOの井上和幸氏。
今回のお悩み
Q: 1on1で部下にフィードバックをしていたところ、部下が泣き出してしまいました。荒々しい言葉は使っておらず、優しく接していたのですが……。思わずオロオロしてしまいました。どう対処すればよかったのでしょうか?
答え:本人が落ち着くまで無言でも大丈夫
A: 「怒鳴られたり詰問されたりして泣いたのではない」という大前提のもと、どうすればよかったのかを考えてみましょう。
部下がフィードバック中に「何のためにやってるのか」など自分を振り返っていると、自分のふがいなさを実感し悔しくて泣く、仕事に対してなど「自分がこうしたい!」という思い入れが強く感極まって泣く、ということは決してレアケースではないと思います。
こうした場合は、フィードバックを一度中断して、その場で本人が落ち着くための時間をとるべきです。その際、「どうした?」「大丈夫か?」と声をかけるよりも、泣いてしまった本人が落ち着くまで無言で見守るくらいのほうが良いです。大切なのはあたたかく見守ることです。
言葉を重ねるよりも、本人がクールダウンできるように、ゆっくりした時間や雰囲気を作ってあげましょう。10〜15分もすれば、徐々に落ち着いてくると思います。
それでも、なかなか泣き止まなかったり落ち着かなかったりする場合は、その1on1を一度ブレイクして、後日再度ミーティングしましょう。ここで注意すべきはブレイクしたままにせず、再度のミーティングをその日の午後とか翌日など早めにやることです。
部署に戻った際は「明日もう1回続きやろうか?」と、いつも通り会話しましょう。そうしないと泣いた本人が気まずいですからね。
著者紹介:井上和幸
株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO
早稲田大学政治経済学部卒業後、リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。その後、現リクルートエグゼクティブエージェントのマネージングディレクターを経て、2010年に経営者JPを設立。2万名超の経営人材と対面してきた経験から、経営人材の採用・転職支援などを提供している。2018年、経営人材が集う会員制プラットフォーム「KEIEISHA TERAACE」を立ち上げる。また、著書には、『社長になる人の条件』『ずるいマネジメント』他。「日本経済新聞」「朝日新聞」「読売新聞」「週刊東洋経済」「週刊現代」「プレジデント」フジテレビ「ホンマでっか?!TV」「WBS」その他メディア出演多数。
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