コラム
岸田内閣の「新しい資本主義」で、人事にはどんな影響がある? 企業に推奨される“人への投資”とは:連載「情報戦を制す人事」(1/2 ページ)
2022年6月7日、「経済財政運営と改革の基本方針2022」いわゆる「骨太方針2022」が閣議決定されました。「人への投資と分配」の方針について確認しつつ、企業や人事部門に求められる方向性やその実現性について解説します。
連載「情報戦を制す人事」
人事向けシステムを提供する株式会社Works Human Intelligenceが、人事職なら押さえておきたい最新の人事トレンドや法改正情報を伝えます。
2022年6月7日、「経済財政運営と改革の基本方針2022」いわゆる「骨太方針2022」が閣議決定されました。
骨太方針で示されたキーワードは、企業の経営方針や人事戦略にも影響を与えることが多く、例年注目されます。骨太方針2022では第2章「新しい資本主義に向けた改革」の中で、「新しい資本主義に向けた重点投資分野」が示され、その冒頭に「人への投資と分配」が挙げられています。
本稿では、骨太方針2022で示された、「人への投資と分配」の方針について確認しつつ、企業や人事部門に求められる方向性やその実現性について解説します。
まず、骨太方針2022における、人への投資と分配について、提示された背景や目的、具体的な方針案について見ていきましょう。
背景
- 人口減少に伴う労働力不足に直面する日本において、創造性を発揮して付加価値を生み出していく原動力は「人」である
- 「人への投資」は、新しい資本主義に向けて計画的な重点投資を行う科学技術・イノベーション、スタートアップ、GX(グリーントランスフォーメーション)、DXに共通する基盤への中核的な投資である
方針(1):人的資本投資
関連記事
- 優秀な人を欲しがる現場、見つけられずに悩む人事──「中途採用の壁」を壊すため、何をしたのか
DX人材の採用に注力し始めても、部門の要求が高く、マッチする人材がそもそも見つからなかった東洋エンジニアリング。開始から「半年間、成果なし」だった市場価値の高い人材の採用を、どのようにして軌道に乗せたのか。取り組みを聞いた。 - 「求人に応募がない」なら、人事自ら採りにいく 採用競争時代のダイレクトリクルーティング入門
近年注目度が上がっている攻めの採用手法「ダイレクトリクルーティング」。メリット・デメリットのほか、どんな企業において効果的なのか解説します。 - 幹部候補か、“万年ヒラ”か キャリアの分かれ目「30代以降の配置」を、人事はどう決めている?
「育成」の観点から異動配置させる20代が過ぎると、多くの企業は「幹部候補の優秀人材」と「それ以外」の社員を選別します。人事は、そうした異動配置をどのように決めているのでしょうか。年代層別の異動配置のロジックをみていきます。 - 「優秀でも残念でもない、普通社員」の異動に、人事が関心を持たない──何が起きるのか
社員の異動を考える際、人事部が真っ先に関心を持つのは「優秀社員」と「残念社員」。その間にいる大多数の「普通社員」は後回しにされがちという実態がある。しかし、この層への取り組みを疎かにすると、ある懸念が生まれる。 - 「優秀だが、差別的な人」が面接に来たら? アマゾン・ジャパン人事が本人に伝える“一言”
多様性を重視するアマゾン・ジャパンの面接に「極めてだが優秀だが、差別的な人」が来た場合、どのような対応を取るのか。人事部の責任者である上田セシリアさんに聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.