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銀行は斜陽産業? 千葉銀行の業績を左右するポイント妄想する決算「決算書で分かる日本経済」(5/9 ページ)

決算書といえば投資やビジネス視点で見るイメージがあると思いますが、より一次情報に近い経済ニュースでもあります。「決算書で分かる日本経済」ということで、地方銀行の決算を取り上げていきます。今回取り上げるのは千葉銀行です。

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貸し出しは増加するも、収益増加は限定的

 また、住宅ローンを見てもローン残高はコロナ禍でも増加を続けています。

 千葉県自体が人口増加が続いているということもありますし、コロナによって在宅時間が増加し住環境への投資をする方が増えましたから、住宅ローンという側面でもコロナがプラスに働いているということです。

 とはいえ貸し出しの額は好調に増える一方で、利回りのほうは減少を続けていて、国内の平均利回りは0.89%にとどまります。

 結果として貸出金の残高は4.3%増となる中でも、国内の利息自体の増加額は1.2%増にとどまり、金融緩和で低金利が続く中で残高が増加したほどの好影響は受けれれていなかったわけです。

 日本の金利に関しては、長期金利は上昇しているものの、政策金利に関しては日銀の黒田東彦総裁の任期である23年4月までは利上げは行わないでしょうから、まだしばらくの間は低金利による影響は続きそうです。

 とはいえ長期的には政策金利の利上げの可能性も語られていますから、いつ金利上昇となるのかには注目ですね。

 また、これからはゼロゼロ融資の利息補填が期限を迎えてくるので、財務的な余力のある企業は一括返済に動くでしょうし、余力のない企業では貸し倒れが起き始める可能性がありあますので、貸出金が減少していく可能性は一定程度あるでしょう。

 とはいえ千葉は、転入超過が続き人口が増加している数少ない県ですから経済自体が成長すると考えると、そういった影響は比較的少なく済む県の1つではありそうです。

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