“絶滅危惧種”と呼ばれた「ドムドムバーガー」は、なぜ蘇ったのか:スピン経済の歩き方(5/6 ページ)
日本最古のハンバーガーチェーン「ドムドムバーガー」が不死鳥のように蘇っている。閉店に次ぐ閉店で、「絶滅危惧種」呼ばれていたのに、なぜ店舗数を増やすことができているのか。
次々にコラボ
また、藤崎社長はドムドムとアパレルのコラボも実現している。ロゴを貸すだけなので金銭的なリスクはないのに、ここでも「保守的な反対意見」がでた。
『社内では「なんでバーガー屋が洋服をやるのか」「ロゴの管理が難しい」「ロゴの形や色は順守しなければならない」と反対されました。でも「何色でもいいじゃない」って思いました(笑)』(前出・ダイヤモンドオンライン)
断っておくが、「慎重な意見が悪い」と言っているわけではない。老舗が生き残っていくには、時代の変化に対応をすることなので、時にこれまでの常識、これまでのやり方を全否定するような柔軟な発想が必要だと言いたいだけだ。
藤崎社長は39歳まで主婦で、その後に「SHIBUYA109」内のショップ店長、居酒屋経営などをしてきただけあって「これまでのドムドム」に縛られることなく、「これをやったほうがお客さんが喜んでくれそう」という自由な発想で施策を決めている。筆者がこれまで取材などで見てきた、「成長を続ける老舗企業」の経営者の多くは、藤崎社長のような人たちなのだ。
成長を続けている老舗企業のほとんどは「守り」に入っていない。伝統や歴史は大事にしつつ、自由な発想で「攻め」を続ける。「革新」を続けている老舗だけが生き残っているのだ。
当たり前だが、老舗も創業したときはもともと「ベンチャー」だった。新しいことを始めて周囲を驚かせて、誰もやっていない領域を切り開いていった。しかし、地域に受け入れられて定着していくうちに、どんどん「常連客を守る」「伝統を守る」「歴史を守る」という感じで、保守的になっていってしまう。
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