「サイゼリヤで満足=貧しい」のか 残念ながら“事実”であるワケ:スピン経済の歩き方(1/6 ページ)
サイゼリヤ論争が盛り上がっている。『サイゼリヤで満足することは「貧しい」ことなのか?』といったテーマが語られているが、消費者はどのように受け止めているのだろうか。筆者の窪田氏は、一票を投じていて……。
サイゼリヤで満足をすることは「貧しい」ことなのか?
サイゼリヤでデートをするのはアリかナシか?
サイゼリヤの自分で書き込む注文スタイルは「非人間的」なのか?
そんなテーマによる論争がSNSで大盛り上がりしているらしい。ご存じのように、サイゼリヤは日本を代表する外食チェーンのひとつであるとともに、その品質に関しては、ミシュランシェフが太鼓判を押すなど、「ただ安いだけのファミレス」と一線を画する評価を確立している。
そんな「外食界のスター」がゆえ、大量のファンもいれば、それと同じくらいアンチがいる。その両者が「オレが思うサイゼリヤ論」をぶつけ合わせて互いに一歩も譲らないという状況なのだ。専門家の中には、かつてのAKB48のように社会現象にもなった人気アイドル論争との共通点を指摘する人もいらっしゃる。
筆者もサイゼリヤにはよく行く。デートに利用したことはないが、本人たちが幸せならば、「せんべろ居酒屋」でもマックでもどこでも利用すればいいと思っている。また、自分で書き込む注文スタイルも、ラーメンの「一蘭」などにもあるので抵抗はまったくない。接客に不慣れな高校生バイトの負担を軽減するという面からも、悪くないシステムだとさえ思っている。
だが、先ほどの争点のひとつである『サイゼリヤで満足することは「貧しい」ことなのか?』については、「貧しい」という主張のほうに賛同してしまう。
といっても、それはサイゼリヤで食事を楽しむという行為が、精神的・経済的に貧しい、などということでは断じてない。正確にいうと、サイゼリヤに満足をして、多くの人が「今のままのサイゼリヤ」を望むことが結果として、「貧しい」状況を生むと考えているのだ。
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