「野良猫」ならぬ「ノラロボット」が課題 パナが仕掛ける自動配送の未来:ロボットが共生する未来【後編】(3/4 ページ)
4月に日本初となるフルリモート型の自動配送ロボット運行に関わる道路使用許可を取得したパナソニック。実用化に向けたビジネスモデルはどうするのだろうか。
来年の道路交通法改正に向けて
4月に国会で可決された道路交通法改正案の中で、自動配送ロボットは「遠隔操作型小型車」として位置付けられた。予定通りに施行されれば23年4月以降、登録制で公道での走行が可能になる。
「現在は原付自動車の扱いなのでナンバーの取得が必要ですが、23年以降は必要なくなります。それに代わるものとして登録番号が記載された標識を、初心者マークのような形でロボットに表示することが義務付けられるようです」(東島氏)
道交法の改正により、自動配送ロボットの道路使用許可は届け出制になる。そうなれば実証運行をそこまで行わなくても、申請が通れば路上で自動配送ロボットの走行が可能になる。そのため、安全面の担保が今よりもさらに重要になってくるだろう。そうした背景があるため、パナソニックが所属するロボットデリバリー協会では、現在規制作りを行っているという。
ロボットデリバリー協会は、パナソニック、川崎重工業、ZMP、TIS、ティアフォー、日本郵便、本田技研工業、楽天グループの8社が、自動配送ロボットを活用した配送サービスの普及による人々の生活の利便性向上を目的とし、2月に発足した。(ロボットデリバリー協会公式Webサイトより)
東島氏は、「23年4月以降に届け出がなされていないロボット、われわれは野良猫からもじり『ノラ自動配送ロボ』と呼んでいますが、そうしたロボットが公道を走ると危険を伴います。そこで、ロボットデリバリー協会では安全基準面で議論を進めています」と話す。
自動配送ロボットの国際標準も、ベルギーが幹事国のTC125などで今後策定予定だ。東島氏は「ロボットデリバリー協会内では、国内の業界基準を定める国内部会と、国際標準策定に関して働きかける国際部会に分かれています。両方の部会と連携しながら議論を進めています。国際標準の策定には時間がかかると思います。おおむね3年ぐらいでは」と話す。
今後、国際標準策定に日本の意見をどこまで反映できるか分からないが、海外だけが基準を先行的に作るわけではなさそうだ。
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