「品質がよくない」「普段の1.5倍の値段です」 顧客満足度No.1のスーパーで見つけた“正直すぎる”ポップの真意:オネスト(正直)カード(2/3 ページ)
「普段の1.5倍の値段です」「品質がよくない」――オーケーで見つけた正直すぎる掲示。「オネスト(正直)カード」と呼ばれているらしい。こんなに正直に商品のマイナス面を伝えて大丈夫なのだろうか?
オネストカードを掲示する狙い
同社はなぜオネストカードの取り組みを始めたのか。広報担当者に聞くと、青果物は天候によって価格や品質にばらつきがあるため、利用者に理解してもらうことを目的にオネストカードに商品の状態を正直に書き、掲示し始めたという。
「天候不良などが原因で品質が悪い場合も、全く仕入れないということはできません。しかし、値段が高く品質が悪いとお買い上げいただけないので、たくさん仕入れるとロスを抱えてしまいます。そこで、『品質が悪く値段も高いのでおすすめしません』ということをそのままお伝えし、代替品をお薦めすることにしました。そうすることで、品薄、品切れの状況でも、お客さまには仕方ないとご了承いただけました」(広報担当者)
オネストカードを掲げることで、仕入れ量を減らし、売れ残りを抑えられる場合もあるという。
値上げも事前に告知
同社は他にも、青果売場を中心に「旬のお知らせ」として「はしり(出始め)」「たけなわ(最盛期)」「なごり(販売終了)」に分けて季節の状況を伝えている。また、値上げ、値下げの事前告知も実施している。
「加工食品の売場では、『値上げ前にお買い求めください』のお知らせを掲示しています。お客さまには、メーカーから値上げの発表(または当社への連絡)がある場合には、前広にお伝えしています。値上げ前にご購入いただくことをお勧めし、他社に先駆けての値上げはしない対応をとっています。一方で『値下げのお知らせ』も同様に実施。値上げの状況でも下げられる売価は引き下げています。現在では、前年に比べて相場が下がったお米や梅干しなど、値下げしている商品は積極的にお客さまにお伝えしています」(広報担当者)
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