パイオニアのカーナビ「NP1」に注目が集まる、開発秘話を聞いた:あの会社のこの商品(4/6 ページ)
カーAV機器やカーナビでおなじみのパイオニアが、新カテゴリーの車載機器「NP1」を開発した。ナビをはじめ多彩な機能を搭載しているが、誕生の背景や技術的基盤は何か? 開発担当者などに話を聞いた。
会話するドライビングパートナー
「NP1」はナビゲーション以外にも多彩な機能を搭載しているが、数ある機能の中でユニークな位置付けなのが「もっとカーライフ++」。OTA(Over The Air:無線によるデータ送受信)により機能のアップデートや新機能の追加を実現する。機能的に常に最新の状態が維持できるほか、新機能の追加により進化することを可能にした。
発売時点で「もっとカーライフ++」で実現できたことは、「ドライブトピック」と「ドライブコール」の2つ。「ドライブトピック」は時間、自車位置、地図、センサーデータを組み合わせ、走行している付近に何があるか、といったドライバーが興味を持ちそうなことを自動的に案内する機能。「ドライブコール」は、「NP1」本体のカメラとマイクを使って、車外の人とスマートフォンを介してリアルタイムな情報共有を可能にする。想定用途は、目的地近くまで来たときの細かい道案内や見守りなどだ。
「ドライブコール」はユニークな機能だが、搭載の理由を橋本氏はこのように話す。
「ほとんどの場合、『NP1』がナビゲートしてくれますが、誰かに道案内してほしい場合や見守ってほしい場合に使ってほしい機能として、助手席にあたかも誰かが座っているかのような『ドライブコール』を搭載しました。『NP1』は会話するドライビングパートナーですので、信頼できるパートナーに擬似的に同乗してもらい、リアルタイムにコミュニケーションが取れるようにしました」
家族や親しい友人との間での使用を想定しているので、通話先の登録は5人まで。「NP1」に「○○(登録された人物の名前)にドライブコールして」と話しかけるだけで、登録された人を呼び出し、つなげてくれる。呼び出された人はSMSで送られてきた招待状を開き、そこにあるURLをタップするとブラウザーを介してドライバーとリアルタイムで会話できたり、カメラが撮影した映像を共有できたりする。
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