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パイオニアのカーナビ「NP1」に注目が集まる、開発秘話を聞いた:あの会社のこの商品(5/6 ページ)
カーAV機器やカーナビでおなじみのパイオニアが、新カテゴリーの車載機器「NP1」を開発した。ナビをはじめ多彩な機能を搭載しているが、誕生の背景や技術的基盤は何か? 開発担当者などに話を聞いた。
体験会を通して商品の価値を伝える
「NP1」は新ジャンルの商品ゆえ、市場開拓には時間を要する。長期スパンで商品を育成したい考えだ。
「私たちは2030年度に、売り上げ1000億円を目指しています。そのため、当社営業担当とオンラインショップ、小売店の店頭、商品体験会などを通じて商品の価値を伝える努力を続けています」
現状をこのように語るのは、NP事業本部営業推進販売戦略部リテールマーケティング課 課長の上本大介氏。カテゴリーをつくるところから始めるので、売り上げ1000億円という目標はチャレンジングだという。
「小売店の反応も気になったことから、大手量販店には開発段階から参画していただきました」と上本氏。同社にとっては初の試みで、どのような売り方をするか、どのように見せるかについて討議を重ねた。
商品の価値を消費者に伝えるために、積極的に実施しているのが体験会。発売以降、大手量販店の店頭や、カーレース関連イベント、自動車メディア主催のイベントなどで毎月実施している。6月と7月の2カ月だけで41会場で実施している。
体験会ではデモカーを活用する。NP事業本部で保有するデモカーだけではすべてのイベントに対応できないので、全国に80台ほどある「NP1」を装備した営業車も活用して、さまざまな地域で体験会を実施している。
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