2015年7月27日以前の記事
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ローカル鉄道は高コストなのに、なぜ「運賃」はバスより安いのか杉山淳一の週刊鉄道経済(1/6 ページ)

鉄道を走らせるのには、さまざまなコストが発生する。ローカル鉄道になると、運賃収入が見込めないので、経営は苦しくなる。にもかかわらず、なぜバスよりも「運賃」が安いのだろうか。そのカラクリを見ると……。

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 赤字ローカル線問題の素朴な疑問。

 鉄道会社: 鉄道はコストが高いのでバスに転換したい。

 鉄道利用者: バスは鉄道より運賃が高いから家計の負担が増えて困る。

 この矛盾にお気付きだろうか。

 バス会社の主なコストは、バスの車両代と燃料費。走路のコストはほとんど負担しない。かつては重量税や揮発油税などが道路特定財源とされていたけれど、道路の建設、保守費用から見れば足りない。


バスの運賃は、鉄道よりも高い?(写真提供:ゲッティイメージズ) .

 実際は道路も信号も行政が負担する。道路特定財源制度も終っている。鉄道会社は車両と燃料費のほかに、線路や安全装備のコストがかかる。だから本来は、コストが大きな鉄道運賃のほうが高くなるはずだ。しかし鉄道よりコストが小さなバスの運賃が高いと思われている。なぜか。

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