年間3億本超えのあずきバー、発売当初より硬いってホント? 開発担当者に聞いた:来年50周年(3/4 ページ)
「あずきバーが発売当初より硬くなっているらしい」――SNS上でこんなつぶやきが話題になっている。例年夏になると「あずきバーに負ける人続出」「勝負を挑んで前歯を欠けさせる人は多いらしい」などと、その“硬さ”を取り出されることが多いあずきバー。あずきバーを提供する井村屋の公式Twitterも「歯には気を付けて召し上がれ」とツイートしている。あずきバーは本当に硬くなっているのか? 同社の開発部冷菓チーム課長の嶋田孝弘さんに聞いた。
2021年度の販売本数は3億本超え
何かと”硬い”ことで注目されがちなあずきバーだが、2021年度の販売本数は3億本を突破。来年には発売50周年を迎え、アイスクリーム市場で確固たる地位を築いている。
「今でこそあずき系アイスはさまざまな種類がありますが、あずきへのこだわりには自信があります」(嶋田さん)。あずきバーに使用するあずきは、指定農家から買い付けたもののうち、あずきバーに合う大きさのみを選別。あずきの大きさをそろえることは、かじった時の口当たりや食感の良さに直結するからだ。
「あずきは農作物なので品質が安定しません。あずきバーの味や品質を一定に保つため、あずきの状態を見ながら、炊き時間や火力、砂糖の量、投入するタイミングに混ぜる力加減などを絶妙に調整しています。まさに熟練の職人技と言えますが、これは長年あずきを扱ってきた井村屋だからこそできることです」(嶋田さん)
また、10年からは欧米やアジアなど世界各国に輸出を開始。21年9月からはマレーシアであずきバーの現地生産に着手した。「マレーシアは人口の約60%イスラム教徒で、ハラール認証のレベルが高いのです。マレーシアでハラール認証を取得したことは、他のASEAN諸国に輸出する上で大きなメリットと言えます」(嶋田さん)
マレーシア向けでは味をローカライズし、「IMURAYA AZUKI BAR」など3種類を展開。アジア圏には甘い豆を食べるという食文化があるので受け入れられやすいのも狙いだという。
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