現代から戦時中に転生──iPhoneで撮影した戦争ドラマ「セイコグラム」が話題 NHKが“タテ型撮影”にこだわった理由(1/4 ページ)
8月15日に77回目の終戦記念日を迎える中、現代からタイムスリップしたら戦時中の女学生になっていたという設定で戦争の記憶継承を試みるドラマをNHKが制作した。制作の狙いを聞いた。
現代からタイムスリップしたら戦時中の女学生になっていた──8月15日に77回目の終戦記念日を迎える中、そんな設定で戦争の記憶継承を試みるドラマをNHKが制作し、きょう午後11時からNHK総合で放送する。番組名は「セイコグラム 転生したら戦時中の女学生だった件」。狙う視聴者層は若年層だ。このため、地上波同様に、SNS「Instagram」(以下インスタ)でのドラマ放映や、スマートフォン(スマホ)での視聴を見越し、縦構図で撮影するなど、「戦争」という難しいテーマのドラマでも若年層が視聴しやすいよう工夫している。制作の狙いなどをNHKに聞いた。
芥川賞作家・田辺聖子さんの日記をドラマ化
同番組は、作家・田辺聖子さんが戦時中に執筆した日記を映像化した作品。田辺さんは『感傷旅行』や『新源氏物語』などの作品で知られる、芥川賞受賞作家だ。田辺さん自身は2019年に亡くなっているものの、最近になり、遺族が遺品を整理していたところ、田辺さん自身が記した「十八歳の日の記録」が見つかった。
日記では1945年4月からの約2年間の青春期を、作家志望だった17歳から18歳の田辺さんが綴っていた。戦争体験者の高齢化が課題となる中、若年層への記憶の継承を目指すNHKが、当時同じ若年層だった田辺さんの日記に注目し、現代の技術を使って映像化することを決めた。
ドラマの内容は、若年層に人気の俳優・南沙良さんが、図書館で見つけた、田辺さんの日記に触れたことで、タイムスリップ。気が付くと、戦時中の女学生として転生(生まれ変わり)していたという設定。NHKによると、番組名の「グラム」は、英語で「書いたもの、記録」といった意味があり、田辺聖子さんが記録したもの といった意味で「セイコグラム」としたという。若年層に人気のインスタを連想させることも目指した。
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