紙巻の撤退はある? 「ケント」や「glo」の英BATが進める“加熱式移行”戦略:最高マーケティング責任者を直撃(3/4 ページ)
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパンが、加熱式たばこ専用デバイス「glo hyper X2」を発表した。BATグループにとって、日本はどのような位置付けなのか。英BAT最高マーケティング責任者を直撃した。
大事なのはどこに注力して投資をするのか
――非燃焼性製品への移行を進めるのであれば、紙巻を廃止する選択肢もあると思います。貴社としてそこに踏み切る計画はありますか?
常に業界は変化しています。将来的には紙巻が全くない社会があるのかもしれませんが、私達に求められているのは、常に良い商品を作っていく、イノベーションを起こしてマーケットを作っていくことだと思っています。一方で、当局や政府、政策立案者と共により健康に影響が少ない、低減できる方法を考えていかないといけません。
将来的に、いつ紙巻が無くなるのかについては、さまざまなステークホルダーが関わってくる内容だと思いますので、具体的な日付は決めていません。
その上で、どこに注力して投資をするのかは非常に重要なことだと思います。例えば、日本市場の売り上げの半分は加熱式が占めていますし、米国ではベイパーが、スウェーデンではオーラルたばこが支持されています。国によって状況は変わってきていると考えます。
25年には日本国内の紙巻たばこのシェアは49%まで減少すると予測しています。そこを踏まえれば、紙巻の販売を終了する具体的な日付の設定できるかもしれません。ただ、それよりも加熱式への移行がスムーズに進むようにすることが私たちの役目かと考えています。
――新デバイスは日本での発売後にグローバル展開するとのことですが、具体的なエリアや発売日のめどを教えてください。
具体的な日程の公表は控えますが、既に約25カ国でグローハイパーが受け入れられ、成功を収めています。また、加熱式が浸透し始めている欧州の国々、イタリア、カザフスタン、ルーマニア、ポーランド、チェコなどでの展開も考えています。
繰り返しになりますが、グローは、まさに日本が故郷だと考えています。私は、16年に仙台で発表した際も来日しました。その時に植えた“種”が“木”になり、少しずつ大きく、一つのアイコンとして存在するようになってきました。これからもユーザーの声に耳を傾けて、イノベーションを続けていきたいと思います。
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