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ウェルスナビ“自然体”の四半期黒字化 クレカ積立で狙う次の一手:金融ディスラプション(3/3 ページ)
ロボアドバイザーサービス最大手のウェルスナビが、2020年末の上場から2年半で四半期黒字化した。柴山和久CEOは「成長投資を維持しながら、自然体での黒字化を達成できた」と話し、22年12月期は通期黒字も見込む。
クレカ積立を大きな柱に
相場環境に依存するため、厳しい状況もあり得る同社だが、次の一手もスタートしている。7月から開始した、イオンカードを使ったクレカ積立サービスだ。「ポイントも貯まりながら長期分散運用を行える。少しでも身近に感じてもらうことを意図して開発した。要望が多かったし、反響もあった」と柴山氏。
クレカ積立は、楽天証券の投信積立設定額を月間1000億円にまで押し上げた立役者だ。ポイント還元の負担も大きいが、うまく活用できれば、大きな成長ドライバーになる可能性がある。ウェルスナビの場合、預かり資産残高の1%を売り上げとするモデルであるため、薄利の投資信託ビジネスよりも収支が合いやすいだろう。
現状、ポイント還元率は0.5%となっており、1%前後の証券各社のポイント還元率に比べると見劣りするが、柴山氏はポイント還元がクレカ積立の中心的な価値だとは考えていないようだ。「反響が高いだけに、期待に沿ったサービスになっているかを検証して、サービス改善を行った上で急成長を目指す」(柴山氏)としている。
柴山氏はクレカ積立について「一つの大きな柱にしていきたい。なっていくポテンシャルを持っている」と話し、次の一手として期待を寄せた。
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