抗原検査キットには「体外診断用医薬品」を──消費者庁が注意喚起 「『研究用』では新型コロナ感染チェックできない」:東亜産業は「研究用」140万本を無償提供(3/3 ページ)
新型コロナウイルスの感染が再拡大していることを受け、自宅で簡単に陽性・陰性を判定する「抗原検査キット」に注目が集まる中、「研究用」と記載された商品の使用を巡って、消費者庁が事業者などに注意を呼び掛けている。
「ウイルスシャットアウト」で消費者庁から行政処分
ただ、同社が手掛ける商品には行政側から問題とされた商品もある。代表格が「ウイルスシャットアウト」という製品。首にかけることで、周囲のウイルスを除去するとしていた商品だったが、消費者庁は20年8月、同製品に対し「(効果の)合理的根拠がない」として、景品表示法に基づき、措置命令を下した。
同社は、これに対し「必要な表示が欠けていたことについて、深く陳謝致します」と謝罪しつつ「消費者庁に対し実験資料を提出して説明をしてきましたが、残念ながらご理解頂けませんでした。今後、正式な手続きを踏むことによって、弊社の正当性を明らかにして参りたいと思います」とコメントしている(20年8月29日付「ねとらぼ」の記事より)。
【編集履歴:2022年8月17日午後7時57分 東亜産業の当時の行政処分について、謝罪コメントを加筆しました】
国が承認していない研究用の抗原検査キットを自治体に無償配布した狙いなどについて取材を試みたが、同社は「通常、取材には応じていない」「担当者が不在のため答えられない」と回答。8月9日に取材を依頼してから、記事公開までに同社からの回答は得られなかった。
抗原検査キットを巡っては、政府がネット販売を解禁する方針を示している。これまで以上に入手が容易になる一方、国が承認していない研究用の製品が出回る可能性も高くなる。
解禁に向けては、販売対象製品の選定方法の在り方が問われるとともに、従業員の体調を管理する手法として企業が購入する場合は、注意する必要がありそうだ。
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