2015年7月27日以前の記事
検索
ニュース

国内は3店舗に激減したのに「東京チカラめし」が香港で人気なワケあの店は今(1/4 ページ)

日本の国民食の1つ、牛丼。すき家・吉野家・松屋の牛丼御三家が君臨する中、“焼き牛丼”を武器に一大ブームを起こし、その牙城を切り崩そうとした存在を覚えているだろうか? 居酒屋チェーン「金の蔵」などを手掛けるSANKO MARKETING FOODSが運営する、「東京チカラめし」だ。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

あの店は今

 かつて至る所で見かけたあのチェーン店や商品、ブームは落ち着いたが今どうなっているの? そんな疑問を直接取材! 競争激しい業界で生き残る秘訣(ひけつ)が見えてきた。

記事一覧はこちら


 日本の国民食の1つ、牛丼。すき家・吉野家・松屋の牛丼御三家が君臨する中、“焼き牛丼”を武器に一大ブームを起こし、その牙城を切り崩そうとした存在を覚えているだろうか? 居酒屋チェーン「金の蔵」などを手掛けるSANKO MARKETING FOODSが運営する、「東京チカラめし」だ。

焼き牛丼で日本に元気を取り戻せ

 東京チカラめしは2011年6月9日、池袋西口に1号店をオープン。オープンのきっかけは、同年3月に東日本大震災が発生したからだという。「それまで当社は居酒屋メインで展開していました。しかし震災後、落ち込んだムードの日本全体に日常食から元気を与えたい、という創業者の思いから参入を決めました」(同社東京チカラめしビジネスユニット長、菊地美千子さん)。日本に元気を与えたい――そのため、店名にも「チカラ」という言葉を入れた。

チカラ
東京チカラめしの主力商品「焼き牛丼」(同社提供)

 創業者の平林実氏はもともとJR神田駅のガード下で「三光亭」という定食屋を営んでいた。三光亭のメニューはカレーと牛丼のみ。「原点回帰の意味も込めて、メインメニューを焼き牛丼にしました」(菊地さん)

チカラ
三光亭の様子(同社公式Webサイトより引用)

 焼き牛丼という珍しさやがっつり食べられるボリューム感から、若い男性を中心に人気を拡大。最盛期の13年秋ごろには、全国で132店舗を展開していた。

 しかし、順調かと思われたこの店舗の急拡大が、皮肉にも影を落とすことになる。あまりにも拡大のスピードが速かったため、人材教育が追いつかなくなり現場が混乱。商品や接客の質が低下してしまったのだ。

チカラ
東京チカラめし 新宿西口1号店(プレスリリースより引用)

 その結果、徐々に利用客が減少。飛ぶ鳥を落とす勢いの店舗拡大から一転して、多くの店が閉店に追い込まれることになった。現在では、新宿西口1号店、新鎌ヶ谷店、大阪日本橋店の3店舗のみが残っている。

       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る