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国内は3店舗に激減したのに「東京チカラめし」が香港で人気なワケあの店は今(2/4 ページ)

日本の国民食の1つ、牛丼。すき家・吉野家・松屋の牛丼御三家が君臨する中、“焼き牛丼”を武器に一大ブームを起こし、その牙城を切り崩そうとした存在を覚えているだろうか? 居酒屋チェーン「金の蔵」などを手掛けるSANKO MARKETING FOODSが運営する、「東京チカラめし」だ。

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海外出店をオンラインのみでやり遂げる

 急拡大と大量閉店という両極端を経験した東京チカラめしは21年、日本を飛び出し香港で再起を図った。「以前から海外展開を考えていました。さまざまな条件を鑑みて香港でオープンすることを決めたのです」(海外事業部マネージャー、華康さん)

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旺角の街並み(プレスリリースより引用)

 しかし、コロナ禍という特殊な状況下で、海外出店を進めることは苦労の連続だった。「そもそも海外渡航が難しく、現地に行けたとしても隔離期間などに時間がとられてしまいます。必然的に写真や動画を駆使したオンラインでのWeb研修がメインになりました」(華さん)。まず、日本から調理や接客のマニュアル、商品に関するアドバイスを香港に送る。それをもとに香港で実際に作業する様子を写真や動画で撮影。香港での撮影データを確認し、またアドバイスや指導を送る……という工程を、気が遠くなるほど何回も繰り返したという。

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香港1号店 外観(同社提供)

 先ほど紹介したように、東京チカラめしは店舗を急拡大させたことで、人材教育に手が回らなかった。結果、大量閉店に追い込まれたわけだが、同じ失敗を繰り返さないために、人材教育には特に力を入れたという。 「現地スタッフとLINEやZoomで常に連絡を取り合っていました。料理長とはLINEグループを作り、グループトーク内でも常に写真や動画を共有しました。困ったことがあればその都度連絡を取り合い、すぐにオンラインミーティングで対応しました」(華さん)

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香港1号店 オープン初日の行列(同社提供)

 調理手順の落とし込みや出来上がった牛丼の味や状況の確認、その過程で発生するさまざまな課題については、実際に味を確認できる現地スタッフを中心に対応。日本と香港のメンバーで開店にこぎつけるまで、4カ月ほどの時間を要した。

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