タピオカブーム終了は“好都合”? ゴンチャに今も行列ができるワケ:あの店は今(3/4 ページ)
2018〜19年に一大ブームとなったタピオカ。その後一段落したように思えるが、当時ブームをけん引していたゴンチャには今も列が出来ている……。その理由とは? 担当者を直撃した。
飲み方や場面の多様化
お茶はもっと自由に楽しめる――。そういった点は、飲む場面にも出ているのかもしれない。ゴンチャでは、カップ上部にフタとしてフィルムを貼って提供している。飲むときはそのフィルムに太いストローを刺すわけだが、通常のフタよりもこぼれにくいという利点がある。つまり飲むシーンがより多様化することにつながる。
となれば、店舗のスタイルも従来のカフェのように店内飲食が前提である必要もない。火を使うメニューもほとんど取り扱っていないため、大きな調理スペースやバックヤードを必要としない。
実際、ゴンチャ店舗の半数近くは席数が10席以下の小さい店舗。お客のニーズに合わせた場所やスタイルで自由に出店できることも店舗数の拡大に関係しているという。
筆者が訪れた「新宿東南口店」はテークアウトを中心とした、通りに面した小さな店舗だったが、300メートルほど先、同じ新宿駅の西口にある「新宿ミロード店」には68席を用意している。「ドリンクを飲みながら街歩きを楽しみたい」「仕事帰りに買おうかな」という時は東南口店を、買い物の合間や待ち合わせにゆっくりしたい時はミロード店と、使い分けが可能なのだ。
立川や吉祥寺でも座席ありとなしの店舗を近くで展開し、さまざまな需要を取り込む戦略を進めている。
一方、「課題があるとすれば、座席0の店舗で列ができてしまうこと」と越智氏。テークアウトに特化した店舗で列ができてしまうと「あ、混んでいるから買わなくていいや」とせっかくのチャンスを逃してしまう場合がある。今後は、モバイルオーダーの拡充や店舗オペレーションの見直しを進め、よりスムーズに購入できる環境を構築するという。
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