タピオカブーム終了は“好都合”? ゴンチャに今も行列ができるワケ:あの店は今(2/4 ページ)
2018〜19年に一大ブームとなったタピオカ。その後一段落したように思えるが、当時ブームをけん引していたゴンチャには今も列が出来ている……。その理由とは? 担当者を直撃した。
「タピオカ屋さん」だと思ったことはありません
ゴンチャは、06年に台湾で生まれたブランドで、15年に「台湾ティー」専門店として日本へ進出。22年5月時時点でアジア、北米を中心に1752店舗を展開するグローバル企業だ。国内の主な利用者層は約80%を女性が占め、そのうち67%は成人女性となっている。ブーム時に学生だった層がそのまま利用していることもあるが、商品の単価も500円を超えることから「自分へのご褒美」といった形で購入する人も多いという。
越智氏は、「自分たちのことを一度も『タピオカ屋さん』だと思ったことはありません」と強調する。タピオカ(パール)は、お茶をカスタマイズするトッピングの1つで、他にもナタデココやアロエ、ミルクフォームなどを用意している。ブーム時に出店が相次いだ他の“タピオカ屋さん”とは異なり、「ゴンチャ」というカフェブランドとしてどれだけ日本で定着できるかを意識し続けていたという。
とはいえ消費者が“カフェチェーン”と聞いて連想する店舗といえば、スターバックスやドトールコーヒーなど、コーヒーを中心としたブランドが多い。越智氏は、コーヒーチェーンにはない“ティーカフェ”ならではの強みがあるという。
それが、種類の多さとさまざまなアレンジが楽しめる点。「日本人は、お茶といえばストレートで飲むものという固定観念があると思います。これも文化のひとつですが、今では若い人を中心に『お茶をもっと楽しんでいいよね』という考えが根付き始めています。ミルクや黒糖を入れてもいいし、フローズンにしてもいい。フルーツを混ぜるのもアリです。
タイやインドでは、スパイスを入れてチャイにして飲んでいますよね。でも日本はどうしても抹茶のような“まじめに飲むもの”という考えに縛られている気がします。
日本にお茶を飲む楽しさを広げることが私たちの仕事の楽しみでもあり、拡大するチャンスだと思っています。コーヒーとは違って、実はお茶の方が日本でやれていないことが多いと考えています」(越智氏)
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