「メンズヘアサロン」のサブスクが盛況、背景になにが?:解約率は(2/5 ページ)
サブスクを提供するメンズヘアサロンが増えつつある。なぜ、男性向けの月額制カット通い放題サービスが求められているのか。会員数が増えている「エン メンズトータルビューティーサロン」の大谷優太社長に話を聞いた。
メイン層は時間の融通が効く20〜30代
20歳で美容師になった大谷氏は、表参道の人気ヘアサロンでの勤務を経て26歳でフリーランスとなり、27歳でエンを創業した。フリーランス時に提供していた年間約5万円のカット通い放題が口コミで人気に。手応えを感じたため、自身の店舗を構えることを決めたという。
エンが提供するのは、月額6600円〜のカット通い放題や月額7700円で月1回カットと任意の1部位が脱毛できるプラン、さらに回数無制限、または都度払いの脱毛メニューも。カットの頻度や脱毛部位が柔軟に選べるようなプランが用意されている(22年8月下旬現在)。
メインの客層は時間の融通が効きやすい経営者、フリーランス、営業職などの人で、年齢層は20代後半〜30代後半。4つの月額制カット通い放題プランはどれも選ばれているが、特に都度予約のビギナープラン(6600円)と同時に2枠の予約が取れるスタンダードプラン(7700円)が人気だという。
「10日に1回ほど来店される方がもっとも多いです。特に刈り上げる部分があると、少し伸びただけでも気になってしまうんですよね。一度サブスクを利用すると、常にベストな髪型をキープしたい欲求が高まるようで、通う頻度が高くなっている方が多いですね」(大谷氏)
20年10月、渋谷に本店をオープンすると紹介を通じて会員が増加。その翌月には同じく渋谷に2店目を出店、22年初頭までに、ほぼ紹介で約200人まで利用者が増えたという。大谷氏いわく、「ビデオ会議などで自分の顔を見る機会が増え、髪型を整えなければ」という美意識が生まれて、来店にいたった人が多くいるそうだ。
その後、全国展開を始めるにあたりInstagramの広告を開始し、現在は紹介での来客と広告での集客が同程度だという。22年7月末時点での会員数は約330人に達している。
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