「メンズヘアサロン」のサブスクが盛況、背景になにが?:解約率は(3/5 ページ)
サブスクを提供するメンズヘアサロンが増えつつある。なぜ、男性向けの月額制カット通い放題サービスが求められているのか。会員数が増えている「エン メンズトータルビューティーサロン」の大谷優太社長に話を聞いた。
約30%が脱毛も利用。ヒゲ、足、VIOが人気
エンでは、ヘアサロンが入っているビル内に脱毛サロンを構え、自社で運営をしている。サブスクを始めると、一般的な脱毛サロンと比べて安価で脱毛を利用できるという。例えば、月1回のカットと任意の1部位が脱毛できる月額7700円のプランを利用すると、2週間に1回の頻度で月2回の脱毛ができる。さらに、2000円ごとに1パーツをプラスできる。
脱毛の利用者は全月額会員の約30%で、カット通い放題から始めて、数カ月後に脱毛も始める人が多いそうだ。
「美容師からのアプローチもありますが、カット通い放題で髪を整えるうちに美意識が高まり、脱毛をやりたくなる方が多いですね。奥さんや彼女の勧めで、女性の目を意識して、という動機も大いにあると思います」(大谷氏)
自身も脱毛を経験している大谷氏は、「脱毛で人生が変わった」と話す。
「ヒゲと全身の脱毛をしているのですが、特にヒゲ脱毛はインパクトのある体験でした。以前は、朝ヒゲを剃っても夕方には肌が青くなっていましたが、脱毛後は見た目の印象が劇的によくなりました。全身脱毛は見た目の清潔感に加え、抜けた毛を掃除する必要がなくなったメリットも。妻や子どもにも好評です」(大谷氏)
自身のポジティブな経験に加え、手越祐也氏やローランド氏など著名人がプロデュースするメンズ脱毛サロンが次々とオープンしていた当時の背景を踏まえ、脱毛サロンの併設を決めたという。
人気の部位を尋ねると、「ヒゲ、足、VIOの需要が高い」と大谷氏。清潔感をアップさせて女性への印象をよくしたい、剃るなど処理の手間を省きたい、ビジネスシーンで相手に好印象を与えたいなどが、脱毛の主な理由だ。
「多くの男性にとって脱毛は金銭的なハードルが高く、それほど緊急性のある悩みともいえません。ただ、毛深さが気になるという人は確実にいて、髪を切るついでに、かつ他の脱毛サロンより安くできるなら始めてみようと考える層を取り込めていると思います」(大谷氏)
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